朝にはもう貴方はいない【太宰治】

27話 ページ29

無事任務は終わったのだが

「何で排水口で転んだだけでそんな怪我をするんですか…」

「急いでいたんだ
わざとでは無いよ」

なんて笑いながらいつもの酒屋に入る

2人で飲んでいると織田さんがやってきた

いつもと変わらない現状報告をし

ツッコミのない会話を繰り広げていると

坂口さんがやって来る

久しぶりにまたこのメンバーで集まった

「ところで、今日この店にいたのは、何かの会合ですか？」

「ここに来たら太宰がいただけだ」

「私は太宰幹部の付き添いです」

「今夜ここに来たら、君達に会える気がしてね
そうしたらいつもの夜になるかなと思っただけさ」

何故か寂しげに言う太宰幹部を疑問に感じながら、私は酒を口にした

「乾杯しませんか？」

私は何となくそう告げる

「何に乾杯するんです？」

「ストレイドッグスに」

織田さんがそう言うと、互いのグラスを当て乾杯する

その後太宰幹部が珍しい事を言った

「写真を撮ろうよ。４人が集まった記念に」

「なぜ急に写真なんだ？」

「今撮っておかないと、我々がこうやって集まったという事実を残すものが何も無くなる気がしたんだよ」

今日の太宰幹部はどこか寂しげで、いつもとは違う夜になった

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