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役人の返事を待たずしてフードの男性は軽くかかとを2回トントンと鳴らした。

ご機嫌でもいいのだろうか。それとも怒っているのだろうか。私をお気に召すことはなかったのだろうか……

すると次の瞬間。

私の隣でゴマをすっていたあの男の姿は、見るも無惨なただの肉塊へと成っていた。
赤黒いそれはどくどくと液体を垂らしている。

「……ッ…」

私は声を黙すことが出来ずその場に尻もちをつくしか無かった。何が起こったのか、理解が追いつかない。
死んだ…?なんで、何があったの?

コツコツと足音が私の方へと向かってくる。
そちらを向くと先程のフードの男性の後ろ2人の男性がたっていた。
そのふたりはフードを被っておらず顔が月に照らせれていて綺麗に見えた。

1人はふわふわの紫苑の髪に引きずり込まれそうな濃いアメジストの瞳。もう1人は燃え盛る炎のような真っ赤な髪に反比例したしっとりとした形とルビーにも見て取れる真紅の瞳。

どちらも淡麗であることは間違いなかった。

私が2人に見とれていると誰かが声を出した。

「キャーーーーーお、お父さん!?なんで……え!!なんなのこれ!!」

声の主はこの施設の子だった。音につられてやってきたのだろう。育ての親の無惨な姿にヒステリックを起こしているようだった。

「あーあ、見られたじゃん」

「えー、これ見られた判定なの!?だって子供だよ!殺したくな〜い」

「おい坂田わがままゆーてられへんよ、これも仕事や最後までやんで」

「まーしーはそこんとスッキリキッパリサッパリしてるから助かるわ〜」

「え!うらさんまで!俺が悪いの〜??」

「仕事は仕事だよ。俺は一旦他に大人いねぇか外見てくるから2人ですんだぞ」

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作者名:あかね | 作成日時:2024年3月13日 1時

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