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商品の下見、ほぼ私を買い取る気満々だ、ということだ。
こんなところでか弱い少女を買い取るなんて理由は決まっているようなもの。

明日から私は完全に道具としてこの世に売られるのか。

刑務所のようなこの家で過ごす最後の夜は、どうにも寂しくて寒かった。


日差しが差し込む私の部屋は朝を告げてくる。
否が応でも起こさなければならない体を起こす。朝一番でお客様がいらっしゃるようだからいつもよりも体を念入りに拭いて準備をする。

いつもより豪華な朝ごはんに、いつもよりよっぽど綺麗な服。商品として綺麗に包み込まれる。

「お客様の言うことには絶対に逆らうなよ。良い値が着きそうなんだからよ。お前はこうでもしないと人の役に立たねぇんだからよ」

はい

なんの感情も乗らない言葉を口にする。

短針が2回目の9に来た時、施設のインターホンがひとりでに音を奏でた。
私は言われるがままに扉を開ける。
目の前には男性が立っていた。
フードを被っていて顔をはっきりと見ることは出来なかったがすらっとしたシルエットから悪人臭はしなかった。身長は私よりも一回り大きいくらいだろうか。男の人にしては小さいような気もする。

「昨日連絡したuだ。話を聞きに来た」

『お、お客様。お待ちしておりました。どうぞこちらへおもてなしの準備が整っております。』

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作者名:あかね | 作成日時:2024年3月13日 1時

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