少女は死神様に救われたい。 (ページ3)

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Beyond The Story ページ3

昨日も今日も。
きっと明後日も。

いつもの日々が巡るのだろう。

部屋の隅からは鳴き声が聞こえてくる。おもちゃは散らかしっぱなしで、埃が被っている。
痛いほどに部屋に響く雨の音が自分を閉じ込めていることを再確認させる。

たくさんの兄弟がいるここで、私は今日から長女になった。
昨日、最長年のお姉ちゃんを迎えに来た人がいた。笑顔でお別れをしたお姉ちゃんに対して私たちは彼女の行く末を想像したのか、誰も笑っていなかった。
死ぬわけじゃないし、大丈夫だよ！行ってきます！！
と別れを告げた。

今日からの最長年は私だ。
つまり、次は私だ。次に連れていかれるのは。

考えても考えても絶望するだけ。
ではここにいるのが幸せか？そんなわけない。
こんなところ、さっさと出ていきたい。でも……

そうすると廊下から役人の声が聞こえてくる。
いつもの怖い声色ではなく仕事をしている声だった。

「ああ、いい頃合の娘がおりますぜ。少々体は細いですが従順で扱いやすいかと思われます」

まさか、もう？思っていたよりも早い。
絶対に私だ。次は私だ。
怯えていると勢いに任せて扉が開く。重い足音が近づいてくる。
目の前で鳴り終わった音は私を覗き込んでくる。

「明日、お前の下見に来るそうだ。良かったなぁ。そいつがお前の親になるかもしれないんだぞ。しっかり挨拶するんだな。」

「はい、ありがとう、ございます」