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場所が変わって酒場のAは
『ねぇ、ダレフさん。さっきの話本当かな』
ダレフ「さっきも言ったが、戦争なんて日常茶飯事だ。お前はここに来て日が浅いから分からんだろうが、ここの連中は避難だけならお手の物よ」
『そうなの…かもね。でも、私が…』
洗ったグラスを拭きながら話しているとAの頭にゴツゴツした大きな手が乗っかった。
ダレフ「大丈夫だ。お前は人間だから、心配することなんてねぇよ」
『ダレフさん…うん。ありがとう』
ダレフ「そういえば、言ってなかったから、あとからこの店の避難経路教えるな」
『うん。じゃぁ、ホール行ってくる、ここの洗い物頼んだよ！』
と、たいして注文の要請もないホールへ行ったAはダレフに30人分程の洗い物を丸投げした。
時は進んで夕暮れ時、酒場を閉める時間になった。最後の客が店を出でいき、店の中にはダレフとAのみ。
ダレフ「今日もお疲れさん、晩飯にすっか」
『お疲れ様、ダレフさん。もう作ったの？早くない？』
ダレフ「いや、さっき誤注文でオムライス多めに作ってしまってな」
『なるほどね、わかったわ。店片ずける前に頂きます』
ダレフの作るオムライスは決してとてつもなく美味しい訳では無いがAにとっては思い出の味。
食べているだけで自然と涙が溢れ出る時もある。
ダレフ「懐かしいな」
『そうだね、初めて食べたのがオムライスだったから。あの時は本当に迷惑をかけました』
ダレフ「何を今更、俺が助けたくって勝手に助けたんだ。それでいいだろ。それに、今ではここの看板娘だ。俺にとってもいい事づくめよ」
『ふふっ…ダレフさんはやっぱり優しいね』
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作者名：音西旱 | 作成日時：2020年4月29日 18時
