【wrwrd】人間兵器らしいです。 (ページ12)

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『っん…うぅん…ん？』

Aが目を覚ますとそこは見たことの無い真っ白い部屋。

「あ、目覚めた？」

横からAに声をかけるのは顔に神と書かれた雑面を被っている見るからに清らかそうな男性。

『…はい』

sn「俺はしんぺい神。我々国の軍医をしてる。君、どこまで覚えてる？今まで何してたかわかる所まででいいから教えて？」

『えっと、確か、緊急避難に備えるよう放送あって、市場が空いるから買い物に行って、…で、あっ、逃げ方がわからなかったから走っていったら戦線を見て…っ、…もしかして、私は…また…』

sn「その様子だと自覚してるらしいね。多分そのまさかだよ。でも、そのおかげで俺たちは勝てたと言っても過言ではない。とりあえず今は安静にしときな」

そう言われ、暖かいミルクを貰った。優しい味がする。

Aは自分が人間兵器であることを分かっていた。何故ならば彼女はこの国に来るまで、ダレフに拾ってもらうまでα国で人間兵器として使われていたから。

戦争を何度も経験したAはそんな自分が嫌になってこの国へ逃げてきたのだ。

だが、やってしまった。

ダレフにはこのことを話しているが、街の人達が見たらどう思う？

必ず恐れ、怯え、非難する。

滅びたはずの人間兵器がいるとわかった軍はどう思う？

戦争に使い、勝利を得ようとするだろう。

Aはもう、ここで、確信した。街には戻れないのだと。

また酒場で働くことは出来ないのだと。

布団の中に潜り、静かに瞼を閉じた。
枕には頬を伝って涙のシミが出来た。

『ごめんなさい、ダレフさん』