: ページ33
「なぁによ、思ったこと言ってみ?笑」
不思議とAが考えていたことは深澤に伝わった様子で。
田中と松村は、そんな二人を静かに見つめる。
「じゃあ遠慮なく」とでも言いそうな表情で、Aは視線を深澤から田中へ移した。
「…ん?何?嫌じゃないでしょって笑」
余裕そうに弧を描く田中の口角は、
意外なAの一言で崩されるのだった。
「___苦手です。笑」
深澤と松村の笑い声で部屋がいっぱいになった。
その後、できる限りの距離までAを出口に案内した松村と田中。
Aの爆弾発言もあったが、割とああ言うノリも嫌いじゃない田中の性格もあり、謎に二人の仲はさらに深まった。
…と、田中 "は" 思っている様子だ。
「じゃあな姉御、気をつけて帰れよ。」
「姉御って…まぁ、ありがとうございます笑」
「じゃあA、またね。」
「うん。ほっくんも元気でね。」
「"ほっくん" !!笑
いーなー俺もそういう幼馴染の女の子欲しかった〜!
ねぇ、俺もじゅったんとか呼べない?笑」
「呼べない。笑」
「ですよね!笑」
「樹楽しそうだな。」
「ありがとうございました。
またお会いした時、よろしくお願いします笑」
律儀に一礼して去って行ったAに、「おう。」と一言返事をした田中と、手を振って見送る松村。
彼女の姿が見えなくなり、二人は来た廊下をゆっくり戻って行った。
「あの子が師匠のね〜。」
「樹のタイプではないでしょ。」
「いや別にそんな意味じゃねぇって笑
普通にいい子だよねってことじゃん笑」
「ならいいけど。」
「じゃあAちゃんに、せめて樹くん呼びされるように頑張ろ〜笑」
___…
やっとの思いで自宅に帰ってきた頃には、もう夕方になっていた。
たった数時間でも緊張に縛られていたせいか、Aの体力はすでに0に等しかったに違いない。
「…あ。」
知らない間に、メッセージアプリに通知が来ていた。
北斗【 樹がごめん、まぁ仲良くしてやって 】
幼馴染のメッセージに、それとなく返信をする。
辰哉【 忘れ物ありがと!あの後口説かれなかった?わら】
「…呑気な。笑」
恋人からのメッセージは、帰ってきてから説教として返してやろうと、心に誓ったAだった。
Fin
1784人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あのん(プロフ) - 彩翔さん» いつも閲覧ありがとうございます😊妹ちゃんの過保護ヒーローな長男、需要があるようで驚いております笑 今後とも宜しくお願いします! (2021年11月17日 10時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
彩翔(プロフ) - 移行おめでとうございます!ツンデレだけどシスコン気味な稜哉くんカッコよすぎです🥺更新はいつでも待ちますので、ご自身のペースで更新してください! (2021年11月16日 21時) (レス) @page27 id: 36c3149a13 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - なぁたさん» いつも閲覧ありがとうございます😊お気に召していただけてとても嬉しいです!楽しんでいただけるよう、少しでもまともな文章が書けるように努めます!💦よろしくお願いします! (2021年11月1日 18時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 1日で一気読みしてしまいました、、、あのんさんの書き方すごく好きです!ご自身のペースで楽しんで更新していってください。これからも読みます☺️ (2021年10月31日 23時) (レス) @page11 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - ぴけらびさん» 温かいお言葉、ありがとうございます😭これからもよろしくお願いします!(^^) (2021年10月31日 20時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あのん | 作成日時:2021年10月31日 17時