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___…
稜哉の堪忍袋の緒が切れたのは、辰哉がホテル住まいを始めてから1ヶ月弱経った頃。
たまたまSnow Manの面々と仕事をする機会があり、一足早く現場入りした稜哉。仕事中は徹底してSnow Manのメンバーに対しても後輩として接し、深澤とは必要最低限のこと以外は会話しない彼だ。
そんな中、挨拶をしようと歩いている時、聞きなれた声がして歩みを止めた。
「___ふっか、まだ家帰ってないんでしょ?そろそろ家族心配してんだろ。」
「…んー、まぁな。」
岩本と、父親の深澤だった。
「なんて言って説得したんだよ。」
「いやー、仕事でって、アイツにはね。笑」
「お前さぁ…、」
「仕事って言って分かってくれんだもん、それだけで十分じゃね?」
深澤の何気ないその一言が心の底をぐらぐらと揺らし、気がつけば止めていた足が勝手に前に進み、深澤と岩本の前には鬼のような形相の稜哉が立っていた。
「うおッ、って稜哉か、…どうした?」
「…稜哉___ッ??!」
「来いよ…!!」
袖を掴んで空き部屋に深澤を連れ込んだ稜哉は、岩本の制止を振り切って対峙した。
こんな感情をむき出しにした彼を見たことがない二人は、状況に驚きを隠せなかった。
「…何笑ってんだよ。1ヶ月も家空けて、連絡一つよこさないでさ。」
「…ん、ごめん。」
「ッ、…母さんも、結依も、どんな気持ちで過ごしてると思ってんだよ。」
「……。」
「仕事理由にすればなんでも理解してくれるって母さんに甘えてるんでしょ。
こっちが余計な心配してるのも知ったこっちゃねェんだろ。結依の学校での事だって母さん一人で悩ましてさ。」
「何が 二人のこと頼むね だよ。
俺だって、…俺、だって……。」
それは今朝。
母親がリビングで電話をしているのを稜哉は聞いてしまった。内容は、結依の学校生活のこと。
___ごめん、こんな時に。結依がね、……うん。そう。
___…だよね、ううん、大丈夫。落ち着いてからでいいから。こっちは大丈夫。うん…。
苦しそうに笑う母親をそれ以上見られなかった。
それと父親の先ほどの様子もあって、珍しく稜哉の我慢は限界に達していたのだ。
「…正直、結依は浮気疑ってたよ。」
「えぇッ??! は?笑」
「仕事じゃないってことは俺にだってわかる。これ以上隠すなら、」
「稜哉、ごめん。たぶん…ってか確実に原因 "俺ら" 。」
それまで静かに見守っていた岩本が、口を開いた。
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あのん(プロフ) - 彩翔さん» いつも閲覧ありがとうございます😊妹ちゃんの過保護ヒーローな長男、需要があるようで驚いております笑 今後とも宜しくお願いします! (2021年11月17日 10時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
彩翔(プロフ) - 移行おめでとうございます!ツンデレだけどシスコン気味な稜哉くんカッコよすぎです🥺更新はいつでも待ちますので、ご自身のペースで更新してください! (2021年11月16日 21時) (レス) @page27 id: 36c3149a13 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - なぁたさん» いつも閲覧ありがとうございます😊お気に召していただけてとても嬉しいです!楽しんでいただけるよう、少しでもまともな文章が書けるように努めます!💦よろしくお願いします! (2021年11月1日 18時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 1日で一気読みしてしまいました、、、あのんさんの書き方すごく好きです!ご自身のペースで楽しんで更新していってください。これからも読みます☺️ (2021年10月31日 23時) (レス) @page11 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - ぴけらびさん» 温かいお言葉、ありがとうございます😭これからもよろしくお願いします!(^^) (2021年10月31日 20時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あのん | 作成日時:2021年10月31日 17時