深澤とは名乗らない！-6-

10月10日に集いし7人は ページ37

(BASAL-ACT 結成当時のお話)




＿＿＿…




数々のデビュー組のバックダンサーを務め、

メンバー全員がそれぞれの活動場所でスキルを高め合い、

ジャニーズJr.の中で確固たる地位を得ていたユニット。




number 18、通称「おはこ」が解散してから1年が経った。




解散理由は、元メンバー2人による未成年飲酒・喫煙。


当時ジュニア内で歌唱力No. 1の呼び声高かった末嶋や、ジュニアながらバラエティのレギュラーを持っていた山代。主にモデル業で活躍していた仲村に、ドラマや舞台に引っ張りだこだったAといった、

ジュニアの中でもトップクラスのメンバーがいたユニットだけあって、業界には衝撃が走った。



解散から1ヶ月、半年…と、月日が過ぎても残された4人の待遇に少しも話が出てくることもなく。

個人のスキルが高いということもあり、他グループ、他事務所への移籍など、このままバラバラになってしまうのではないかという不安も聞こえた。





数年前、10月10日

ジャニーズ事務所の会議室。


1年ぶりの元メンバーとの再開のはずだが、この4人が顔を合わせることはそれほど久し振りではない。

活動再開に向けて、密かにプライベートの時間でお互いに会う時間を作っていたのだ。



その熱意も知って、部屋へ入ってきた滝沢は、"この話"を進めようとしたのだ。





滝沢「…なんか、いい顔してるな笑」



仲村「…このままじゃ終われないんで。」

「……。」



滝沢「うん、だと思って招集かけた笑」





＿＿＿新しくスタートをきろう。


滝沢の言葉は、決して想像できなかったものではない。
グループが解散して、元メンバーが集められた時点でなんとなく予想はできていたのだ。


それに、感謝しかない。




滝沢「でもこの4人じゃない。」


末嶋「…メンバーが増えるんですか。」


滝沢「そういうこと。
正直、俺の頭の中では新しいグループとメンバーっていう程で、いろいろ先に進めてる。加入する奴らは、ぜひとのことだ。あとはお前らが決めること。」


山代「何人来てくれるんですか？」


滝沢「3人。だから7人グループだ。」





滝沢の言葉を最後に、部屋には沈黙が走る。

思いはひとつなのだが、なかなか言葉が出てこない3人を他所に、Aの言葉がよく響いた。




「ラッキーセブンっすね笑」




そして他の3人も、同じ意見だと言うように笑う。


こういう時に図らずとも、場の空気を察して自然と発言できるのがA稜哉という人物だ。

：→←：

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す