深澤とは名乗らない！-6-

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「少しだけ個人的な話をします。」



「ジャニーズに入所して12年、本当に色々なことがありました。

初めてグループに名前をつけてもらった時、初めてマイクを持った時、初めて憧れだった舞台に立てた時。

嬉しい瞬間を、鮮明に覚えてます。


…逆に、思い出したくもない辛い出来事、心が折れそうになる出来事も、やっぱり鮮明に覚えてます。」




「今となれば、その一つ一つが今の僕を作っている大切な経験だと思えるんですが。
やはり先が見えないジュニアという立場である時は、どうしても目を背けたくて、逃げ出したかった。




仕事を頂く度にネガティブになったりもして、一時期は、どうでもいいやなんて思ったことも、

認めさせてやるって頑張っても、認めない人達の声ばかり聞こえてきて、まだ全然足りてないって落ち込んだりした。



学業との両立ができなくて、仕事に影響が出たりなんかもして。
自分の選択は間違ってたのかな、なんて思ったこともあります。」




「初期から所属していた前身グループが解散した当時は、18歳でした。

…もう、無理なのかなって。俺はデビューとは無縁の人間なのかなって、思った時もあった。」






「…そんな12年間の中でのどん底にいた時、救ってくれた人達がいます。」





「"誇りを持て"、"大丈夫、間違ってない"、"逃げじゃないよ"、

"諦めるのは、まだ早いだろ"、と……ッ」







「っ、…本当に、報われて良かったなと。

たくさんの人に支えられて走ってきたこの12年間が報われて、…その人達全員に、デビューという恩返しが出来て、本当に良かった…ッ、


みんなに、この景色を見させることができて、良かった…。」






「…デビューはゴールじゃなくて通過点だと、メンバーで話したことがあります。」



「これからは、各々が磨いてきた武器を存分に使いこなして、新しいステージでまた武器を進化させて。

成長し続ける、僕らにしか切り拓けない道を進むグループになります。
それが、僕らのグループの使命だと思ってるから。」





「きっとこの先も、躓いたり、時には誰かが歩みを止めそうになることもあるかもしれません。

そんな時、一番力をくれるのは、他でもないみなさんです。だから一緒に進んで欲しい。

俺らが守るから、俺らを信じてほしい。」





「今日という日に、そして皆さんに、感謝しています。」


「デビューさせてくれて、ありがとう。」






20xx年12月2日
BASAL-ACTデビューの日






Fin

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