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「公立に入れない方が良かったかな…笑」
儚く笑うAに、辰哉はそっと手を添える。
「二人で決めたじゃん。Aが思い悩まなくていい。」
「…でも現に、稜哉は寂しがってるし。
何より辰哉が直接、稜哉が幼稚園で友達と遊んでるところとか、一生懸命かけっこしてるところとか、見れないじゃん…。」
「んー…まぁ、ね?」
沈黙が走る。
AはAなりに、稜哉と辰哉のことを考えているし、それを辰哉も十分理解している。
ただ、まだたった4歳の息子に泣かせてしまうほど我慢させている事実が悲しくてたまらないのだ。
暗い表情のAを見兼ねて、辰哉は立ち上がってAの頬を両手で挟むようにして寄せた。
「…むわッ?!…なひぃ(なに)?」
「んは笑
ほら〜、あんまり考え込んでると、お腹の赤ちゃんにも心配かけちゃうんだからさ?」
「…んん。」
「…とは言え、ほとんど稜哉のことやってもらっちゃってるから俺もあんま言えないんだけどさ。」
「そんな事ないよ。休みの日、遊びに連れてってくれるのとか凄く助かるし。」
「うん、それくらいは任して笑
…それに、稜哉にはちゃんとAの愛情が届いてると思うからさ、大丈夫だって。」
「…だといいな。」
___…
その後、まだ日が出ているうちにと、辰哉は稜哉を連れて近くの公園に来た。
最近練習中の、補助輪なしの自転車の練習のためだ。
「稜哉〜、そろそろ休憩する?」
「うん!」
1時間ほど練習し、休憩がてらジュースを飲みながらベンチに座る二人。
一生懸命練習してついた擦り傷を、辰哉は愛おしそうに撫でた。
「稜哉強いなぁ、転んでも泣かなかったな?笑」
「うん!強いもん!
今日ね、幼稚園でね、パパの日(父親参観)の練習でね、かけっこしたんだけどね、転んでも泣かなかったよ」
「おッ!偉いじゃん〜、さすがパパの息子だ笑」
たくさん話して、たくさん褒める。
なかなか仕事の都合で、稜哉との時間が取れない辰哉が心がけているコミュニケーションだ。
素直に、一生懸命、稜哉と向き合っているからこそ、稜哉は辰哉のことが大好きで仕方ないのだ。
「…稜哉、幼稚園にパパ来て欲しいの?」
「うん!来てほしい!」
「そうか〜。パパが幼稚園行ったら何したい?」
「いっしょにおうち帰る!」
「…え?帰るの?」
話によれば、父親参観の日。終わった後、他の子が父親と一緒に帰る姿が羨ましかったという。
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千紗(プロフ) - はじめまして。ツイッターのフォローさせて頂きました。アカウント名はそらでやっています。ご確認くださいm(_ _)m (7月19日 18時) (レス) id: b4ad6e0ae1 (このIDを非表示/違反報告)
流月(プロフ) - はじめまして。お話楽しませていただいています。たつりょや最高です。インスタフォローさせていただきました。SixTONESのうやむやというmvの一場面のピンクのアイコンです。これからも頑張って下さい。 (2021年8月12日 10時) (レス) id: 94fe50aea3 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - 朱莉さん» 初めまして!確認しましたが、DMの方でもメッセージいただきましたかね?承認済みかと思いますのでご確認ください! (2021年8月12日 8時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - じゅさん» お久しぶりです!なんとか書き切れて良かったです(汗) りょやの恋ですね!笑 かしこまりました!順次作成しますのでお待ちください! (2021年8月12日 8時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - ayuさん» いつも閲覧ありがとうございます!確認いたしました!フォローありがとうございます! (2021年8月12日 8時) (レス) id: 2713eabb8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あのん | 作成日時:2021年7月8日 17時