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「…言ってみ？なんで緊張してんのか。」
「…え、」
「いっつもやってんでしょ？
俺ら以外ここに人いないし、普通に喋ればいいからさ。」
そういう深澤の姿は、Aにとっては久々に見た
"父親としての深澤辰哉" だった。
指先へ、徐々に体温が戻り始めているのを感じながら、
Aはぽつりぽつりと話し始めた。
「…滝沢さんから、築き上げてきたこの舞台、の…座長を任せてもらえて、」
「うん。」
「嬉しい…し、頑張りたい気持ちはすごくあって…今日まで全員で準備、してきた…けど、」
「うん。」
「っ…、そりゃ、プレッシャーだろッ…」
「……。」
「何が正解か、俺達でもわかんねぇのに、"昔はどう" とか、"それは違うだろ" とか…ッ、
新しい事をやっていいって言われたって、それまであった伝統を大事にしてきてたのは、この舞台なのに…！」
「精一杯、考えて…準備してきた…俺達の歌舞伎が、幕が開けて、お客さんに見てもらった時、に……、」
「受け入れてもらえるか心配？」
「……。」(頷く)
「…そっか、」
今回、総合演出は事務所社長の滝沢とはいえ、座長であるグループの中で、この舞台の演出を中心になって考案してきたのは、他でもないA自身。
周囲からの期待もあり、
その中には以前までの演出を望む声もあり、
BASAL-ACTの色を出した内容にこだわることも、
受け継いできた伝統を続けていきたい声も、
そして何より、この舞台の "ベテラン" と言い表された自分へのプレッシャーも、
全てAは、人知れず心の内にしまっていた。
昨日までは自信を持って「今の自分達の最高値」と言える内容でも、プレッシャーの波が押し寄せれば、もちろん不安と焦燥感が襲う。
そのタイミングが、今だった。
「…稜哉、」
そんな息子の想いを、"辰哉" は痛いほど理解できた。
「そんだけお前が、…お前らが一生懸命なのは、伝わるよ。」
「ッ…でも、伝わるだけじゃ、」
「うん、そう。伝わるだけじゃダメだよな。
そこからお客さんの心が動けば、その心配はなくなるよ、絶対。」
「……、」
「今日とかこれから、見にきてくれたお客さん達はさ、
一生懸命お前らが考えて、稽古して、作ってきた滝沢歌舞伎を楽しみにしてくれると思うのね。」
「…ん、」
「一生懸命、受け取ってくれると思うよ。
だからさ、お前も、自信持って舞台に立たなきゃ、じゃなきゃ失礼だと思わない？」
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あのん(プロフ) - えーパンダさん» 返信が遅くなりました🙇♀️素敵なお言葉ありがとうございます！おかげさまで無事完結できました☺︎ (7月21日 21時) (
レス) id: e371a31c4d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - りかちゃまさん» 返信大変遅くなりました💦お付き合いいただきありがとうございました！スピンオフもよろしくお願いします☺︎ (7月21日 21時) (レス) id: e371a31c4d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - なつさん» 返信大変遅くなりました🙇♀️お付き合いいただきありがとうございました！ご期待に応えられずすみません💦今更ながら、何か還元できればいいんですが…笑 スピンオフも、よろしくお願いします！ (7月21日 21時) (レス) id: e371a31c4d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - じゅさん» 返信が大変遅くなりました🙇♀️最後までお付き合いいただきありがとうございました！しれっと再始動しておりますので…笑 よろしくお願いします！ (7月21日 21時) (レス) id: e371a31c4d (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - ゆめさん» 返信が大変遅くなりました🙇♀️最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました！いつでも稜哉くん達がお待ちしてます！笑 (7月21日 21時) (レス) id: e371a31c4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あのん
| 作成日時：2022年4月25日 18時
