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第19話 久々のNo視点くん! ページ28

No 視点


ガタッ



敦「今……そこで物音が!」

太宰「そうだね」



倉庫に男2人

静寂を破るように鳴る物音



敦「きっと奴ですよ、太宰さん!」

太宰「風で何かが落ちたんだろう」



1人は慌て、1人は落ち着いている



敦「ひ、人食い虎だ…僕を喰いに来たんだ」

太宰「座りたまえよ敦君。虎はあんな処からは来ない」

敦「ど、どうして分かるんです!」



1人の落ち着いた男、太宰が淡々と喋り出す



太宰「そもそも変なんだよ、敦君。

経営が傾いたからって、養護施設が自動を追放するかい?大昔の農村じゃないんだ。

いや、そもそも経営が傾いたんなら一人や二人、追放したところでどうにもならない。半分ぐらい減らして、他所の施設に移すのが筋だ」

敦「太宰さん何を云って──」



飛び出す言葉に驚きを隠せずに居る男、敦

それを気にせず話を続ける太宰



太宰「君が街に来たのが2週間前。虎が街に現れたのも2週間前。

君が鶴見川べりにいたのが4日前。同じ場所で虎が目撃されたのも4日前。

国木田君が云っていただろう。『武装探偵社』は異能の力を持つ輩の寄り合いだと。巷間には知られていないがこの世には異能の者が少なからず居る。

その力で成功する者もいれば

──力を制御できず身を滅ぼす者もいる。

茜ちゃんと空ちゃんは誤魔化していたし、施設の人も、君には教えていなかったのだろう。

君だけが分かっていなかったのだよ。

君も『異能の者』だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者──」



月夜の光に照らされた敦


ガルルルルルルゥ


みるみる野獣の姿

いや、

例の"人食い虎"の姿となり

太宰に襲いかかる



太宰「こりゃ凄い力だ。人の首ぐらい簡単に圧し折れる」



冷静に分析しているが、どんどん壁へと

追いやられていく太宰



太宰「おっと。獣に喰い殺,される最期、と云うのも中々悪くはないが…

君では私を殺,せない」



ピタッと動きを止める太宰

それを見逃さない虎と化した敦が

襲いかかる


…が、



太宰「私の能力は

──あらゆる他の能力を触れただけで無効化する」



_ 異能力【人間失格】_

第20話 月下獣って響き、カッコいいよね?(圧)→←第18話 今思ったけど、太宰さんの思考回路めちゃ凄くね?



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作者名:フィア | 作成日時:2022年9月16日 17時

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