＊ドライヤーms ページ30
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俺のお気に入りのバスソルト。髪がサラサラになるシャンプー。落ち着く香りのボディーソープ。
お風呂は好き。
一日の気に病むほどではないけど心にささくれを残した嫌なこととか全部流してくれてるみたいで。
長湯したかな？もくもく湯気を立てている髪と体を丁寧に拭きあげて、保湿クリームを体に馴染ませる。
ん、これも好きな匂い。
顔にも、こっちはメイクさんおすすめの化粧水と乳液で水分を補給。
ずっと愛用してるものだけと、サラッとしてるのにカサつかないのは革命だよね。初めて使った時の感動まだ思い出せるもん。
そんでこれまた高性能のドライヤーのコンセントを繋いでスイッチを入れれば風量はもはや業務用。
最後にヘアオイルを揉みこんで。
うん。つやつやになった。
こうやって満足してお風呂タイムが終わるんだけど、
まあここは人の家の風呂で、ってか翔くんの家です。
でも翔くんの家なのに俺愛用のグッズがこれだけ充実してるのはもう愛だね。
まあもう俺のも置いてくれてるってよりは俺愛用のものに取って代わられたみたいになってるし。
でもこのボディークリームも乳液も使ってんのかな。
あるのに使ってなくて乾燥して綺麗な白い肌を自ら掻きむしって出血って笑えないんだけどね。
ま、翔くん結構面倒くさがりなとこあるし。
脱衣場の扉を開けたら相対的に冷たい空気がまとわりついてくる。
でもその先にテレビを見てる翔くんの影。
「翔くん。お風呂あがったよー。」
「ん、おつかれ。」
近づくにつれて見えてきた翔くんは、髪がいつもより深い色で艶やかなせいか改めて美しい。
あれ？
「ちょっと、翔くん！なんで髪濡れたまんまなの！？｣
「え、いやー。なんかいっかなって？」
「全然良くない！冬だよ、冬！風邪ひくって。
あとね、いつも言ってるけど髪は濡れたままの状態が一番痛むんだから、」
「んは。笑 それは耳にタコ。」
へらっと笑って視線をテレビに戻そうとする翔くんは動く気なさそうで。
タコができてるそのかわいい耳に聞こえるようにため息をついて、ドライヤーを取りに戻った。
面倒くさがりの翔くんのために俺がプレゼントした強力ドライヤーだってのに！！
なんで使ってくんないのさ！！
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作者名：すす | 作成日時：2020年11月15日 18時
