こもれび (ページ21)

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てんてきページ21

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朝ごはんにゼリーとお粥を見せても少し迷ってから、
いないかなって顔をされた。

本当に迷ってたんじゃなくて、俺の心配を少しでも減らそうとして迷ったフリをしてくれたことを知られてるなんて思ってないんだろうな。

とりあえずグレープフルーツジュースをパック半分くらい飲んでくれたので褒めてから残りをもらった。

「ニノの所、行こっか。」

手を引いて車に乗せて走らせた。

珍しく窓に頭を預けているのに違和感はあった。

でも病院まであと少しって所で袖を引かれ見やると真っ青な顔で口に手を当てる翔くんにはびっくりしてしまった。

急いで道すがらのスーパーの駐車場の隅に車を停めて、グローブボックスから袋を取り出す。

胃を撫でたり、背中をさすったりしてもえずくだけで何も吐けずに小さく唸るだけ。

病院はすぐだからニノに連絡入れて、かわいそうだけど翔くんに袋を持たせたまま車を発進させた。

病院に着いた時にはえずくことは無くなってたけど強い不快感はあのままらしくぐったりしてる翔くんを担ぎ込んだ。

「これは、辛いね。
翔ちゃーん？針刺すよー。」

ニノが腕をトントンしてから素早く針を入れて点滴に繋がれてくれたけどなおも苦しそう。

「大丈夫だよ。水分が回れば吐き気無くなるから。
あと、栄養で少しは楽になる。」

心配していた俺に向けてちゃんと教えてくれた。