こもれび (ページ11)

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おさんぽページ11

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体をぐーっと伸ばすと胸いっぱいに朝の澄んだ空気が入ってくる。

隣の翔くんも真似しては気持ちよさそうだ。

『食欲不振だけど本の発売も控えてる今食べさせとかないと困るから、様子見てお腹空くように軽い運動で体力使わせてみて。』

ニノに言われて暑さがまだ柔らかい朝に散歩を企画した。

『あいぱん』までを遠回りに歩く。

ざっと立ち止まる音に足を止めると、何かを見つめている翔くん。

少し戻って視線を辿ると、
電信柱に見えた小さな鳥。

肩を叩くか迷っていると、
視線がふいーっと俺に向いた。

その手にはこっちを向いたスマホが握られていて。

『あの鳥は
電信柱の上にいる時も、木の上にいる時も、
同じ声で鳴いてるの？』

かわいい質問で。

「そんな差は感じないよ？
どっちも同じ乗り心地なのかもね。」

いつもなら、そうなんだって納得する翔くん。

でも、少し迷ってトントントンとスマホを触った。

『電信柱の上にいる時の方が大きな声で鳴いてるの。
きっと遠慮がないのかも。』

そっと差し出されたその文字に。

うーん？と首を捻ると
にっこり笑って早く行こうって顔をする。

今日は帰ったら鳥のスケッチでもしようかな。