おかえり (ページ10)

今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:72,555 hit

3 ページ10

o

って、ん？？

「おう、どした翔くん。」

ソファーに置いてきたははずの翔くんがいつの間にかこっちに来てて、しかも俯きがち。

「、、っけほ、ケホケホ、、！、」

「おうおう、具合悪いか、？」

咳き込んでから、言葉が続かない。

「、こほっ、、。」

「うん、いったんあっち戻ろう、？」

そうやって手を引こうとした。

「、怒った？」

「、、は？」

「、ほら、怒ってる、。」

え？

なになに？？

「怒ってなんかないよ。」

「っ、でも、。」

「なんで？なんで俺が怒るの？」

「うそ、ついたから、。」

「嘘に俺が怒ってるって？」

こくん。

「全然。笑
ただ翔くん、何なら食べれっかなーって。」

ね？と優しく言ったつもりなのに、咳と一緒に涙が落ちた。

え、涙のスイッチどこだ？

「、っこほこほ、、ケホ！、はぁ、こほっこほ！！」

「ごめん、翔くん。１回戻ろう。」

ぐいっと手を引っ張って、ソファーに座らせても咳も涙も止まらず。

翔くんのことなら大体わかるのに全然わからない。

「なんで泣いてるの？」

「、ごめん。」

「ん？いいよ、？どうしたの。」

「、智くん、俺のために、、こほっ、。なのに、俺、怒ってるとか、、。ごめん。」

あは、と笑うと不安そうな目を向ける。

「なんも気にしてないよ。こっちおいで。」

返事なんて聞かずに、なんなら俺から近寄って、小さく揺れる胸をさする。

嘘がバレて怒ってると思って、次は怒ってると思った自分に泣いて。

翔くんて、こんなにめんどくさ、、、かわいい人だっけ。笑

咳以外はなんとも、なんかじゃなかったね。

体調悪いって不安定になるよね。

そんなとこ申し訳ないんだけど。

「ちょっと酷くなってきたね。
咳止め買ってくるよ。いい子に待ってられるよね？」

念押しの聞き方に弱い翔くんは条件反射でうなづいて、ありがとう、とまで言ってくれる。

「うん、じゃあ、行ってくるわ。
すぐ帰ってくるから。」

「、すぐ、、？」

「うん、すぐ。」

その間にもこほこほ、と苦しそうな翔くん。

いったん部屋行って、俺がよく着る服1枚持ってきて、ほら、これで遊んでなー、と笑って渡してみる。

「うん、！っけほ、、ありがとう、、！！」

「え、と、、。じゃあいってきます。」

軽いノリのつもりが、そんなきらきらな笑顔見せられたら急に恥ずかしくなるじゃねぇか。

本当にすぐ帰ってきてやる。好きなプリンも買ってきてやる。