【OS】* ページ8
o
「智くんただいまー。」
「おう、おかえり。」
予定時間より早く帰ってきたた翔くんはちょっとご機嫌だ。
なのにそのまま向こうに座る。
「ん？こっちおいでよ。」
「あー、んん、いっかな。」
「お？ついに俺のこと嫌いになったか？」
「っな！そんなわけないじゃん！！」
すごい勢いで否定するのを笑って、そうすればさっきと一転むっとした翔くんにも笑うと、とうとうそっぽを向かれる。
「ほら、こっち座りなって。」
もう分かってっから。
痺れを切らして、ダイニングテーブルのとこに迎えに行けば、ちょっと、！とか言いながらも手を引かれ、とすっと隣に収まる。
「隠せてねぇって。」
「違うよ、少し乾燥？しててさ。」
「蒸し暑い外から帰ってきて何言ってんだよ。」
「クーラー効いてるからさ、外との寒暖差ならぬ乾湿差だったりとか、。」
「あっちの加湿器見えてねぇの？
翔くんが乾燥対策につけろってうるさかったんだぞ。」
「あー、あは。笑」
「なんなら朝から気になってたから。
どうせ仕事でもいっぱい喋って頑張ったんだろ？」
「もう。」
「いや、こっちが『もう！』だから。」
あなたこういう時すごい口回るよね、とはぐらかすっていうより諦め口調で言われましても。
会話に結構な割合で挟まれる乾いた咳、なんで距離取るぐらいで誤魔化せると思ってたんだよ。
そもそも勝率ないだろ。
「それだけか？他は？」
「なんともないよ。って、わっ、！」
「ふーん。熱はないみたいだな。」
「ちょっとー、こほこほっ、！信じてよ。笑」
「さっきまで隠そうとしたやつ信用できっかよ。」
額に手を当てた感じ通常通りの俺より少し低めの体温｡
でもこいつ、どこに何隠しってっかわからんからな。
「もう、！ケホケホ、、そんな目で見ないでよ。」
「ちょっと酷くなってない？なんか持ってくっか？」
「自分で行けますー。」
また咳に体を揺らされながらするっとキッチンに向かって行くのを見送る。
「あ、温かいのにしなよー！」
「えー、そんなんないよー！」
「電気ポットのボタンくらい押せるだろー？笑」
「、えー！っけほけほっ、！こんこん、、！！」
「え、おい、ちょっと！」
遠くで聞こえる激しい咳き込みに慌てて駆け寄る。
シンクの縁に両手をついて体重を支えてる翔くんを引き取ってとりあえずその場にしゃがませた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すす | 作成日時：2020年8月1日 9時
