おかえり (ページ25)

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ちょっと怒られるかな、とは思った。

インフルとかだったら困るかなって重たい体でも変装もして病院行って。

痛い喉にゼリー流し込んで、貰った薬も飲み込んで。

だるさとしんどさをひとりで耐えきれなくて。

気を紛らそうと録画のニノを見ると、さみしさにも耐えきれなくなった。

思い切ってかけた電話も無機質な返事が流されるだけ｡

その携帯を握りしめて、寒いから上着を羽織ってタオルケットも2枚持って力が抜ける体で頑張ってニノに1番近い場所へ。

体調を崩せば、絶対安静！絶対安静！と優しくうるさいニノはこんなの喜ばない。

そんなのわかってるけど。でも。

頑張ったんだもん。

それを全部わかってるみたいに優しく褒めて甘やかしてくれるニノだからこんなに隣にいて安心するんだ｡

・

探さなくてもすぐ近くに感じるニノの呼吸。

一緒に寝てくれたんだ。

ほこっと温かくなる心に関係なく体の芯からゾワッと寒さが押し上げてくる。

体に感じる重みから夏だというのに掛け布団まで乗っかっているのがわかるんだけど。

凍てついてるみたいな感覚が頭の先から足の先までを支配して、自分で自分を抱きしめようとこの寒気は収まらない。

なに、悪寒ってこんな辛いの？

おそらく熱のせいでぼやーっとする意識が続くゾクゾクとした気持ち悪さに追い立てられている。

吐く息さえも震えて、ニノに伸ばそうとした手もカタカタと自分の手じゃないみたい。

「、、ん、、？しょ、ちゃん、？」

起こしたくないと思いながら、気づいてくれるって期待もしてた。