死柄木弔の弟だがヒーローを目指す【ヒロアカ】 (ページ3)

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No.２ページ3

聞き覚えのある声の正体はソコには何かいいことでもあったのかとても上機嫌な緑谷クンだ。

挨拶をしてくれた緑谷クンに俺も挨拶を返そうとしたが、さっき教科書とカフェオレを拾った時に体力を使ったから眠い。

何でそんな体力がないのか？違う違う、俺は体力が無いんじゃなくて省エネなだけだ。だからあまり余計なことに体力を使いたくない。

だが流石に挨拶を無視するのは悪いので、今にも眠れるんじゃないかという程眠そうな声を出してこちらも挨拶をした。

｢あ～緑谷クンじゃん、はよー｣

ふあぁァ……と腹の底に、欠伸(あくび)の素の粉がふわふわ舞っているみたいな生暖かい欠伸が出て止まらない

その姿を緑谷クンは大丈夫なのかと心配そうに見つめて俺に注意をする。

｢頼むからまた歩きながらでは寝ないでね｣

緑谷クンは困った顔で笑みを浮かべた。

そう、俺は緑谷クンの言った通り眠いと歩きながらでも寝る癖がある。

だがこればっかりは体質だ。仕方がない

緑谷クンの心配に対し、俺は無理だろと思いながらも

｢あー、まぁ……頑張るわ｣

と、とりあえず返事をする。

緑谷クンは、拭い切れないであろう心配を他所に俺に向かって”ちゃんとしてよ”と言う。

頑張るとは言ったが出来るとは言っていない。

本当は彼もわかっているはずなのに言ってくるあたり心配症だなとしみじみ思う。

｢そう言えば前刀君、さっき駅前に巨大敵が出たの知ってる？すごかったんだよ！｣

さっきの話題から急に何を言い出したかと思えば、緑谷クンは興奮してこっちの事なんて気にしないで凄い勢いで喋り始めてきた。

緑谷クンの話を聞いていると、俺はさっきの出来事を頭に思い浮かべる。

｢ということは、さっきの揺れの原因ってやっぱ敵か？｣

自分一人で納得していると緑谷クンは、そうそう！と言ってまた駅でのことを話す。

その興奮した声を遮って俺はハッキリと口にする。

｢んまァ、敵だろうかヒーローだろうが周りに迷惑を掛けるのはやめて欲しいモンだな｣

そんなヒーローにとっては元も子もない不満を零し、緑谷クンは少し困った顔をして俺達はそのまま学校に向かって歩いていった。