【大病院占拠】さあ、始めましょう

１２話 ページ13

私達からの要求はある女性の死の真相を突き止めること。

「あなたはその名前を目にしています。そして殺されかけた」

そう。私の計画は完璧に進んでいる。ビルに行くようヒントを少しづつばらまき誘導。

白衣にある名前を印象づかせる。

「お前…最初から仕組んでたんだな」

「あなたが単純で良かったです。では１１時５分に」


プツン


「雅美さん…」

「大丈夫。もうすぐ裁きがくだされるから」

わかっていても仲間の辛そうな顔を見るのはしんどいものがある。

武蔵刑事は無事真相にたどり着けるのか。

あれだけヒントをばらまいいたのだ。わかってもわないと。

「青鬼、これ見てください」

PCでカメラの映像を確認していると、人質立ちが怪しい動きをしていた。

「私が行きます。いいですか？」

しばらく悩んでいたが、小型カメラを渡されOKを貰った。



「…一体何の騒ぎですか。カメラがついていることお忘れでは？」

「薬がなくなったの」

「薬が…？」

「せめて彼女だけでも開放して…！」

あぁ。“彼女”か。

開放はできない。もう少し我慢してほしいところだが…

「場所なら知っています。私に取りに行かせてください」

佐渡稔。信用しがたい男だけど死なせるわけにはいかない。

「俺も…！一緒に行きます」

外科医の若狭昇。二人ならきちんと薬を取るしかない。

「…私も連れて行って。彼じゃ薬の知識がないわ」

武蔵裕子も名乗りを上げた。

「はぁ。青鬼に許可を取ります。待っていてください」

流石に私の一存では出すことができない。

『３階薬品庫ですか…』

「どうしますか。このままじゃあの人死んじゃいますよ」

『わかりました。橙鬼を向かわせます。二人で監視してください』

「お願いします」

過保護ね。私一人でも大丈夫なのに。

「許可は出ました。もうひとりの鬼と監視するので待っていてください」

もう一人と聞いて苦い顔をする佐渡。やっぱりなにか怪しい。

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