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「あれ、ゼロコーラじゃなくて良いの?」
一つ目のコップにコーラを入れ、もう一つのコップにもコーラを入れようとした小関くん。
雄「あー、笑 あれは張り合って言っただけだから。本当はうっちーゼロコーラ嫌い。」
そう言って笑う彼を見て、まるで私たちのようだと思った。
雄「それ、紅茶用のレモンでしょ?」
「うん。何だか知らないけど、繭子はいつもコーラにレモン入れるの。」
雄「へー。笑」
”さすが委員長。”と笑った彼もまた、私と同じことを思ったのかもしれない。
雄「氷どれくらい入れる?」
「あ、私氷いらない。」
雄「え、まじ?」
「うん。あんまり冷たいの苦手で。」
雄「しかも、コーラじゃなくてメロンソーダなんだ?」
「あれば絶対メロンソーダ頼む。クリームソーダは邪道だと思ってるけどね。」
雄「ふっ」
”覚えとこ。”と笑った小関くんの右頬には、優しげなえくぼが浮かんでいた。
席に戻るなり、私の緑色のそれを見て”趣味悪りー”と笑う変わり者の彼。
でも別にいいのだ。私はこれが好きなのだから、趣味が悪いも何もない。
睨みながらズズッとそれを啜れば、大好きな甘酸っぱい味が口中に広がった。
繭「あ〜、明日から魔の夏期講習か〜」
雄「俺はそれに加えて部活だよ?いいよなーうっちーは。勉強しないで良くて。」
普段はサラッと教科書を読むだけで良い点数をとってしまう繭子も、都内のAランク大学の受験となればそうはいかないようだ。
小関くんは受験勉強プラス部活もだなんて、私のそれは案外楽な方なのかもしれない。
篤「いや、俺だってまだわかんねーから。」
彼には、Jリーグの幾つかのクラブからオファーが来ていると聞いた。
勉強しなくて良いなんて、そんなものは目先のことで、彼は私たちの想像を絶するような大きな決断を下さなくてはならないのだろう。
繭「何にせよ、この夏が肝心でしょ。」
雄「間違いないね。」
この夏の出来事は、私たちのこれからに大きな影響を及ぼすことは間違いない。
それはもしかしたら、
自分の将来だけではなく、
私たち四人 それぞれの未来にとっても。
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laiz(プロフ) - 娘×2さん» 娘×2さん、はじめまして。初めから読んで下さりありがとうございます!確かに、まだ誰も「好き」とは言葉にしていませんね^ ^いつ頃その言葉が出てくることでしょう…そして初めに言うのは誰かな(^-^)続編「月白(つきしろ)」を作成致しました。是非覗きにいらして下さい (2014年10月24日 20時) (レス) id: 2a8e7ae77e (このIDを非表示/違反報告)
娘×2(プロフ) - 初めまして(^-^)『碧』から読み始めてやっと追い付きました!!まだ誰も『好き』と伝えてないのにキュンキュンしまくってます。続きが楽しみです♪待ってます(*^^*) (2014年10月23日 20時) (携帯から) (レス) id: d30826829b (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - みいさん» みいさん、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません>_<おっしゃる通り、その内亀に抜かれますね(^ ^)笑”現在編なんてサクッと好きって言っちゃえばいいのにと思いつつ、このもどかしい距離を書くのが大好きなんです!笑”これからも変わらずお付き合い下さいね♪ (2014年10月23日 19時) (レス) id: 2a8e7ae77e (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ひろさん» ひろさん、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません>_<私もスタジアムのシーンを書きながらあの味を思い出してヨダレが出てきました。笑”美味しいんですよね!鹿島にいた頃は特別内田さんのファンではなかったのですが、試合は何度か見に行きました。懐かしいな〜 (2014年10月23日 19時) (レス) id: 2a8e7ae77e (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - とまとさん» でもそれ以上の喜びややり甲斐を皆様が下さるから、こうして続けられているのだと思います(*^_^*)「課金制でも読みたい」最高の褒め言葉に心が震えています。(本気です笑)皆様ご期待を裏切らないよう、執筆頑張るぞー!負けませんっo(`ω´ )o (2014年10月23日 19時) (レス) id: 2a8e7ae77e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:laiz | 作成日時:2014年8月30日 20時