君の声を

No.18 ページ40

最近、薬の副作用なのだろうけど、いのちゃんの髪の毛の数が少なくなってきてるような気がする。

キノコヘアはまだ面影を残しているけど、



いつか＿


いのちゃん独特のキノコヘアが完璧に跡を残さなくなる時が来るんだ、と思うと、



なんか、どうしようもなく不安になった。




『ごほっ…おえっ、ごめ…』

お見舞いに行った時に吐いてしまうことも最近、多々あるし、

ほんとにもう、って思わずにいられないのが、

『ごめんね』って、やっぱり謝ろうとしてるところ。


迷惑がかかってると思っているのかな。

いのちゃんのクセに、遠慮しすぎ。
わかって欲しいけど、
わかって欲しいのに、

伝わらない、伝えられない＿。

いのちゃんのために、何かしてあげたいのに。

いのちゃんの力になりたいのに。



もどかしい気持ちでいっぱいだった。

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