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焦凍くんの隣に腰掛けてアイスを割った。片方にティッシュ巻き付けて持ちやすいようにする。
「はいどうぞ」
「……お前はあの時、俺を知ってたのか」
アイスを受け取って焦凍くんが一口食べる。私もそれに従い頬張った。
舌の上でシャリっとしたアイスがじんわりと溶けて気持ちがいい。
コーヒーの香りが口いっぱいに広がる。それなのに苦くないのは、チョコレートや砂糖を入れているからだろうか。
「ううん、知らなかった。緑谷くんに会いに行ったら昨日のイケメンくんが居るんだもの、びっくりしたよ」
「なんで話しかけてこなかった。俺とはもう話したくねぇか」
「あは、話飛躍しすぎだよ轟くん。…ううん、話したくなかった訳じゃないよ。でも、」
そう行って彼の顔を見つめる。…あ、肌白いな。赤みが肌に透けてる。じんわりと汗が滲み出ていて、それが憎いほどに絵になっている。ほとんど無意識に彼の顔に手を当てた。
ビクリと焦凍くんの肩が揺れた時初めて自分の行動が中々にスリリングなことに気づく。…だから軽い女だと思われるってば！
「私が話して、迷惑じゃない？」
「…公園であんな姿見せたんだ。上条が俺に気使う事もねぇだろ」
「あれ、名字…」
「緑谷が呼んでんの聞いた」
珍しくムスッとした表情だ。普段ポーカーフェイスなだけあって眉を動かすだけでもすごい変化だと思う。
「緑谷と仲良いのか」
「うん、前大切なもの落としちゃって拾ってくれたの」
「切島とは」
「単純に相性が良すぎた…？」
そう呟くと焦凍くんは更に顔を顰めて彼の頬に触れていた片手をぎゅっ、と握った。思ったより大きな手だ、やっぱり彼もヒーローを目指しているだけある。
彼との会話は常にうち身である事、時々大幅なスキンシップで相手の感情を揺らすこと。…これは喜怒哀楽の少ない焦凍くんには尚更やるべき事だ。
…だから、あながち私のこの無意識に向いてしまった手は、間違いではなかったのかもしれない。
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てんびん(プロフ) - すごいこの話好きです！絵もお上手ですね！面白かったです！これからも頑張ってください( ᐛ )و (3月17日 16時) (
レス) @page24 id: 2e60fcae90 (このIDを非表示/違反報告)
モエ - めちゃくちゃ大好きです！ (2023年1月5日 19時) (レス) @page12 id: ccd05087e8 (このIDを非表示/違反報告)
まお - わぁ、めちゃめちゃ好みの小説でした..！評価しておきました！ (2022年7月2日 16時) (レス) @page11 id: 160b3a4401 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 今まで見たことないタイプの作品です！！ちょっと見ただけでめっちゃハマりました。 (2021年8月10日 21時) (レス) id: c579d00236 (このIDを非表示/違反報告)
とろろん昆布(プロフ) - 私はとても好みなのですが低評価が増えてしまったのにキャラヘイトともとれる表現があるからではないかなぁと思いました。あくまでも一個人の考えですので参考程度に… (2021年4月13日 16時) (レス) id: e26948917f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春風 恋
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年2月6日 13時
