いつもみたいにおはようって言って。 ページ1
始まりは、小学校に入ってまもない頃。
「ノーマン、今日はノーマンのおたんじょうびでしょ？」
「うん」
「わたし、今日せんせいのお手伝いして帰るから、先帰ってて？」
「でも、別にAを待ってても、」
…本当は先生になんか呼ばれてなくて、ただノーマンの誕生日プレゼントをお店に取りに行くだけなのである。
しかし、流石にその現場に主役であるノーマンまで一緒にというのはちょっとなあ、と思ってなんとかこうして誤魔化そうとしている。
……わけなのだけど、ノーマンはちっとも察してくれない。
困ったなあ、と内心思って教室のドアを見ると、こちらに顔を覗かせた見覚えのある人物と目が合って、にこりと微笑まれる。
「A、」
「あ、レイくん」
「先生がよんでる。早く来いだってさ」
「えっほんと！？ノ、ノーマン！そういうわけだから先帰ってて！あとでノーマンのおうち行くから！」
レイくんナイス！と密かに親指を立てればレイくんは笑顔でぐっと親指を立て返してくれた。
レイくんとは隣の席で、今日のことを言っていたので困ってるわたしに気付いて助けてくれたのだろう。
すると、ノーマンはちらりとレイくんを見てぐしゃりと顔を歪めた。
「…ねぇA、」
ノーマンの目が細くなってきらりと青色の瞳が光る。
「レイとは何もないよね？」
「レイくん…？何もないって？」
なにが？と首を傾げればノーマンは何か考えるようにして目を伏せる。
「……んー、なんでもないよ。気にしないで！」
そういってからりと笑うノーマンに違和感がなかったと言えば嘘になるけれど、これ以上は自分の首を絞めかねないと判断して曖昧に頷く。
そんなわたしを見て満足そうに頷いたノーマンはもう機嫌が大分回復したらしくそのことに安心してそろそろと息を吐き出した。
「ほら、せんせい待ってるんでしょう？いっておいで」
「う、うん」
「早く来てね、待ってるからさ」
ぎゅっとわたしの両手を包むノーマンの手は相変わらず温かくて、えへへと笑えばノーマンはなーに笑ってるの、と口では言うけれど、つられるように笑う。
「またあとでね」
わたしとノーマンは、そういって別れた。
ノーマンはいつものようにひだまりみたいな綺麗な笑顔で笑っていた。
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霧雨 - マジでこの話好きなんで何年でも待ちますよ……！！ (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 2536d56e00 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 何ヶ月でも待ちますよ…… (2019年7月6日 20時) (レス) id: 0d00d9474e (このIDを非表示/違反報告)
永遠のノーマン推し - とっっっっってもおもしろいです！！最終回を楽しみに、末長く待っています！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: c2cd169df1 (このIDを非表示/違反報告)
相沢恋(プロフ) - みみずさん» おお、私も好きなシーンです！短編集でも書いていて、長編で書く時も絶対入れようと思っていたセリフのひとつです！嬉しい！ (2019年3月26日 10時) (レス) id: 49ab268cae (このIDを非表示/違反報告)
相沢恋(プロフ) - じぇるさん» ありがとうございます！！これからも更新頑張ります！次回、ドキドキの最終回です…！ (2019年3月26日 10時) (レス) id: 49ab268cae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：相沢恋 | 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2019年3月11日 21時
