大嫌いと切り捨てて【約ネバ】

虚言者は綺麗に笑んだ ページ7

「ママ、こんにちは。少し緊急報告したいの」


「ええ、レイかA、どっちかが来ると思ったわ」



いらっしゃい、とママの寝室に迎えられた。




＊＊＊


私が報告するのは、ありのままの昨日起きた出来事。



ノーマンとエマがリトルバーニーを持って門へ言ったこと、レイが二重スパイだったこと、私が鍵を確認した際には、鍵がかかってなかったこと。



一通り説明すると、ママがふっと笑った。


「……なるほどね。エマとノーマンだったの。じゃああの落ちていたリトルバーニーも、あの子達の仕業って訳ね」



納得のいったように、ママはこくりと頷いた。




というか、そう。リトルバーニー置いてきてしまったのか。





ママはその事で誰かが秘密を知ってしまったことを理解した。

そしてもちろん、約束を守れなかった私とレイのどちらかが仕込んだと考えるのが妥当。




私がこの話をしなければ、両方が裏切るとバレてしまっていたかもしれないこの状況で、私がとった行動は正解だろう。




「…時期にレイもこのことを伝えに来ると思う。まあ、少し内容を変えてだけどね。どうするママ、私もあのままごとみたいな会議に混ざった方がいい？」




あくまでスパイのAで居るように心がける。

というか、私がいずれ裏切るとママが知っていたとしても、ママは私を捨てない。




確信はある。私が裏切ったとしても、ママにはノーマンという人質があるから。





ノーマンを外に連れていかない限り、私はママを裏切れないし、ママもそれは承知している。




「貴方にそれは任せるわ。好きにしたらいい。………ねぇ、Aは私の、ママの味方？」



頬に手を添え、耳を触りながら言うママ。



「…うん、味方だよ。裏切らない、絶対に。」





綺麗に慣れた笑みをつくり、また私は嘘をつく。

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