大嫌いと切り捨てて【約ネバ】

どうか生に焦がれて ページ6

エマの様子が、朝からおかしい。



態度はいつもより不自然だし、声も少し小さい。

額には常に汗を浮かべていて…あと、ママを見る回数が異様に多い。



ああ、本当に…本当に全部知ってしまったんだね、エマ。





知らないで欲しかった。知らなければ、いつもみたいに、いつもの表情でめくるめく日常を送れたのに。



少し悲しい気分になりながらも、エマに挨拶した。



「おはようエマ。……どうしたの？具合悪いのかな？」




んー？と額に手を添えると、泣きそうな、安らいだような顔をして、私を見た。





ダメだよエマ。そんな安心しきった顔をしちゃ。
私だって、あなたの敵、ママのスパイなんだから。



「…Aは、私のお姉ちゃんみたいだなぁ」


「誕生日は私の方が上だからね、そうなるかな」





よしよし、とエマの頭を優しく撫でた。



エマ、よく頑張りました。

でもね、あなたがこれから通る道は、果てしなく闇の続いたイバラの道。




貴方はそれを、耐えきれる？







＊＊＊





みんながボールで遊んでいる時、ノーマンとエマが居なかった。

きっと、意味の無い作戦会議をしているんだろうなぁ、と思った。






ふと木陰を見てみると、いつも読書をしているレイの姿がない。

……あいつ、また私の言うこと聞かないで…。





おそらくというか、確信だった。


今、レイはエマとノーマンにコンタクトを取っている。エマとノーマンを制御するために。




私はどうする？あの子達の会話に混ざるか？
仲間になって、絶対に意味の無い作戦会議をする？？




時間の無駄だ、そんな事しない。



もしあっちが声をかけてきたら、それとなく混ざろう。

そして、力になるでもなく、スパイだと明かすことも無く、優しく弱いAでいよう。




そう納得したところで、私はある部屋に向かった。




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アニメの2話位の所。

虚言者は綺麗に笑んだ→←つまらない話はやめなよ

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