大嫌いと切り捨てて【約ネバ】

幻想は儚く散った ページ11

「ノーマン、ダメだよ。風邪移りやすいんだから」


起き上がってノーマンの背を押すと、それよりも強い力で抱きしめられた。



「……ぼく、Aの泣く姿なんて見たこと無かった。Aはいつもそうやって一人で泣いてたんだね。」


気が付かなくて、ごめんね、と耳元で喋るノーマンの声は、僅かに震えていた。



ノーマン、泣いてるの？




「…………泣かないで、ノーマン」




そう言ってノーマンの頬にキスをすると、きょとんとしていた。


その後、困ったようにわらってくれる。
あなたは、笑顔が似合う。



「……ほら、ママが来ちゃうよ。」


今度こそバイバイ、と言ってノーマンを部屋から出した。


早く良くなって、とノーマンは笑う。




あなたの笑顔が一番好き。
綺麗な青い目を細めて、ひだまりのように暖かい日が眼差しが大好き。



「…………私が、守るから。」





何としてでも、ノーマンを守る。



ノーマンが生きて笑ってくれるなら、どんなことでもしてみせるよ。









「あの子達を裏切りなさい、A」





ねぇ、ノーマンわらって。




そしたらわたしは、

バイバイ、弱いわたし→←小さい頃夢見た幻想

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す