あなたと私の幸せな世界【イナイレ】 (ページ4)

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4話視線と同情ページ4

試合後半が始まる。
そんな時、休憩が始まった頃から感じていた視線の主を見つけた。

金髪で雷門とは全然違う制服を着た彼女は、逸らすことなくジッと私を見つめている。
思わずボードに目を落として目を逸らす。

なんだろうあの子。
雷門の子じゃないのに見に来てるとか野次馬？
でも雷門中に練習試合を申し込んだのはこの間だし、噂が他校に回るほどでもないし、一体どこから仕入れた情報でここにいるのだろうか。

それにずっと私から視線を外さないのも気になる。
試合が始まると言うのになんで私ばっかり見ているのだろうか？
て言うか私知り合いか？
今ある私の記憶にはないけれど、なくした昔の私を知っている人なのだろうか？

何はともあれ、ずっとこっちを見るのはやめてほしい。
視線が痛いし、何より居心地が悪い。

試合後半。
鬼道の指示…いや、厳密に言うと総帥からの指示だけど、例の彼をあぶり出しにかかるらしい。
点を取ることよりも相手選手を痛めつけるのが目的の攻撃が始まる。

それはきっと周りから見たら異常な事なのだろうけど、私はもう慣れてるから何も感じない。

それは...私は既に異常と言う事だろうか。
それとも彼らが知らない人だから何とも思わないのか...。

試しに帝国のみんなが何か強い相手にこう痛めつけられていたとする。
…そもそもそんなところ想像も出来ないけれど…。
まぁ仮にの話だから、そう思って必死に想像を膨らませると思った以上に簡単にその光景は頭に浮かんだ。

抉れたグラウンド、上がる土煙の間から倒れるみんなが見えてゾッとする。
妙にリアルな想像で、もしかしたらなんて馬鹿な考えを頭を振って追い払う。
こんな心臓に悪いドッキリ妄想はやめてほしい。

でも、倒れている彼らを見る人達は今こんな気持ちかもしれないなと、少しだけ同情した。