探偵社の窓から突っ込んだら色々狙われてます

第七十六話 ページ27

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数日後。話題の博士の裁判が行われた。傍聴席には例の会長と何名か分だけ空けられたソファが並んでいる

被告人の立つ場所に隈が刻まれ背を微かに丸めた博士と、冷たい目の弁護士に検察官。検察官は兎も角弁護士くらいは少しは罪を軽くしようと努力したらどうなんだ
厭な笑みを浮かべる会長さんは嫌悪しかない


15分の休廷。

トイレに立った会長さんにボスが接触し、証拠は確実に取れるだろうからそれを最後に流せば終わりだ

SNSのアカウントでも一時的に作り、拡散の準備でもしようかと思い付いたがいかんせん携帯機器が無かった
戸籍もないし当たり前か

にしても『神の目(アイズ オブ ゴッド)』に裏認証システムを作る同僚とやらも凄いな


どうでもいいことを考えていると、安堵し切って尚且つ見ていたくもない笑みを浮かべて帰ってきた会長さん
席を立ち、廊下を出た


「どうでした？」

「ばっちりだ。面白いくらいに撮れた」

「ふふ、嗚呼云う輩は安心し切ると口が軽いですから
オルコットさんの作戦は凄いですね」

「当たり前だ、組合の作戦参謀だぞ」


裁判が始まり、人通りのない扉の前で待機。静まり返った空間に響く声はよく聞こえる。
冷たく申告する弁護士の声にははっきりと「有罪」とある


「いってらっしゃい、ボス」


そう告げた刹那、彼が扉をぶち上げた
場を一瞬で支配し、真実を告げる為に


「ーーー異議あり(オブジェクション)！」


……ただ、それじゃ伝わる人と伝わらない人がいるとは云いたいかな

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