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第六十九話 ページ20




魂の抜けた様にフラリとその場を立ち去ろうとした彼女は完璧に私の存在を忘れていたのか目が合った瞬間に顔を真っ赤にさせてよろけた
失礼じゃないかな?

するとこけるのではなく、少し太った男性がほくそ笑んで立っていた。頭には包帯が巻かれている
嗚呼 確か、探偵社の一階喫茶店に手を出してやられたんだっけか


「逃げるこたねぇだろ」


彼らの狙いは有りもしない組合の遺産。
オルコットさんは顔が知られていたのか、路地を歩いてる姿を目撃されていたらしい
私は顔が割れていないので、女二人と云ったところらしいが


「そこの女も組合か?」

「……」

「チッ 無視かよ
まぁいい。俺達の狙いはアンタだ」


指を鳴らして、男の一人がオルコットさんを羽交い締めにした。ただ黙って海を見つめる私をオルコットさんは顔を歪めて此方を見ているが、直ぐに目の前の男を見遣る


「さて、組合の遺産の話をしようぜ」

「思い出しました……指名手配犯のみで構成された組織『ザアパルク』
罪が重いほど地位が高くなる犯罪者集団

ボスの名は犠牲者の親指の爪を剥ぐ手口から、通称『親指の爪(サムネイル)』」


長々とご紹介どうも。興味もないけどね
大体、遺体の一部をわざわざ剥ぎ取って遺しておく神経がわからない
下手すりゃその工程で指紋が割れるかもしれないのに

組合のボスを探すためにオルコットさんに爪を剥ぐ道具を見せ付け脅した。ご丁寧に血が付いて少し錆び付いた道具。


けれど彼女は気丈に、そして諦めた声音で断った
彼女はかなり危うい。相手に自らの命すら預けるのはあまり善いとは思えない。上司を間違えれば捨て駒扱いでファンから悔やまれるタイプ


「……おい、銃をよこせ

こいつは駄目だ。何も吐かねぇ
始末して次だな」


「ーーー私は助けませんよ!!
自分の所有物は、自分で守る義務があるんじゃありませんでしたか!!?」


此方の様子を見る気配に、流石にイラついた
私が割って入る?な訳ないじゃない
動揺し拳銃を向けた敵も無視して、変わらず海を見続けた。何かを叫び、引き金を引こうとしたが踏み出す足音に目を閉じた

アンタが助けて初めて、意味がある



「ーーーーーー50セント」


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まるげりーた - え、終わり⁈名残惜しすぎます〜! (8月20日 19時) (レス) @page48 id: cea80c1fef (このIDを非表示/違反報告)
桜の下(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 6dcf85fe6b (このIDを非表示/違反報告)
ふふふ。 - 面白いです!!最高です!!応援してます!! (2018年4月23日 20時) (レス) id: 02b15496d1 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - 六十五話、「ただ浮かんでいる」の後の「胎内」は「体内」ではありませんか?更新早くてすごく嬉しいです!長文失礼しました。 (2018年4月15日 20時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
冬霞 六花(プロフ) - 第六十八話の、「ギルドには、ボスが必要です」の処が「ギルドには、バスが必要です」に成ってますよ、長文失礼しました。 (2018年4月15日 17時) (レス) id: b8417422b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和寂 x他1人 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2018年4月13日 18時

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