探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第四十四話 ページ45

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「こんにちは、脱走が速いですね」

「……こんにちは。そちらから来てくれるなんて、勘違いしそうだ」

「……うぅん」


なんなんだろうこの人達。
遠い目をして胸をそっと抑える私を不思議そうに見るジョンさんは未だ血の跡を洗い流して居ないらしく顔にまで飛び散ったまま

彼は吹き飛ばされたパトカーの車体に躰を預けて座り込んで居て、私はそのパトカーの上に座っていた

当たり前と云えば当たり前だ。先程まで警察に捕まって居たんだから。ま、その警察がどうなったかなんて聞くまでも無い事でしょう？


「それで？要件は」

「貴方と少し話しがして見たかったんです」

「……それだけかい？」


驚いた様子の彼に、ニィと笑って見せる
何の計画も無しに近づいたわけが無い。私は馬鹿では無いからね


「貴方も私と話しがしたそうに見えた
間違いは？」

「！……無いね」


服の土埃を軽く払い、立ち上がる。
倒れて動かないラヴクラフトに声をかけ、此方を向いた。何を云わんとするのか手に取るように判る
云い出したのは君なんだから、と言葉の頭に付きそうな雰囲気は嫌いじゃない


「組合に行って話そうよ」

「善いですよ、白鯨ですよね」


時短だ、と即答した私に目を見開いて暫く固まっていた。

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