探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第三十六話 ページ37

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ポートマフィア所有の建物が一夜にして消え去り、探偵社の社員が一人失踪。それらが指し示すのはーーーー組合襲来だった

準備は整ったと云わんばかりの所業に、烈火の如く怒りを燃やすポートマフィア。
組合の秘書を報復の的とし、ナオミが連れ去られ狂ったように交差点を探し回っていた谷崎君と敦、そしてポートマフィア首領 森さんも忽然と姿を消した


「初めまして」


……はず、なんだ。

目の前でニコニコと笑う森さんの傍らにはエリスちゃんがいて、交差点には谷崎君や敦、鏡花ちゃんもいた。然し鏡花ちゃんちゃんはすっかり怯えきっている様子

原作の一通りは終わらせた、と。

然しその結果、予想外の危機的状況(ピンチ)だ
黒蜥蜴に梶井さんに中原さん。剰えポートマフィア首領が直々に。背筋の冷や汗は止まることを知らず、引きつった笑みを浮かべる

然し何より哀れなのは放置された秘書の方だろうな、と思った


「……如何して"一端の医者"が、そんなにも物騒な方々を後ろに控えさせているんですか？」

「意地悪だね。昔の事だと判っているんだろう？」

「……はは」


クスクス笑う森さんだが、こちらは一切笑えない。
下手に笑い飛ばすと後ろの黒蜥蜴が乱射してくるよ絶対。笑えないよ洒落にならないよ

硬い笑顔に後ろの立原さんが微かに笑っている。
無様だと云いたいの？厭という程知ってるよ！！


「単刀直入に云おう


ポートマフィアに入らないかい？」


「…………は、はは、御冗談を」


嗚呼 もう、本格的に笑えない
拒否感を感じさせない森さんの目に、脱兎の如く逃げ出したくなった

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