探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第三十二話 組合 ページ33

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２週間の西への遠征があった筈の中原さん。
流石におかしいと思い調べてみると、どうやら代わりのように尾崎 紅葉さんが行かされていることが判った
そこだけ判れば速い。彼女は自分の所為だと頭抱えた

所謂、バタフライエフェクトなのだ。私と云う異物が参戦してしまい、中原さんが行く筈だった任務に紅葉さんが行き、彼は私を標的とした任務に回された。

どうしたものかと頭抱える彼女に、隠す気もない気配
忍では無いしポートマフィアでも少しは隠す
探偵社の今の時期は忙しいだろうし、消去法で残ったのはーーーー


「……組合(ギルド)の回し者ですか？」

「正解！よく判ったね」


パチパチと手を叩くハンチング帽を被った農家の様な格好のジョン・スタインベック
その横には亡霊の様なラヴクラフト。前々から聞いていた組織の回し者がとうとう来てしまったし、少し来るのが早く無いか？もしやこれも又私の所為だろうか


「前々から金に物を云わせて嗅ぎまわってる輩が居るって聞いてましたから」

「あちゃー、ごめんね？」


申し訳無さそうな眉を下げるがジト目で見続ける
隣のラヴクラフトは一寸見たくない。本物は予想外に不気味だし怖い
するとそれに気付いたのか苦笑し、言葉を続けた


「僕らは伝言人(メッセンジャー)
うちのボスの言葉を伝えに来た」

「……はぁ」

「端的に云うよ。

……幾らでも払う。だから、うちの組合に入り元居た組織の情報を教えてくれ」


伝言を云う際、少し顔が厭そうに歪んだ。確か彼は金に物を云わせる人間が嫌いだったか。
ジョンの言葉の後、ラヴクラフトがポキリと頸の骨を鳴らし、ジョンは小さなカバンに手を入れる

……拒否権なんて、無いんじゃないか

ムッ、と顔を顰めた

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