第三十一話 ページ32
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視点変わって探偵社。
少し時も遡り、敦が入社試験に合格し樋口による偽の依頼に谷崎、ナオミ、敦が向かっている最中の事である
探偵社内に戻り思い思いの仕事をする中、太宰が寝そべりながら口を開いた
「乱歩さん。例の少女と接触して、どう思いました?」
ヘッドフォンの片耳を離して乱歩に問う
聞かれた乱歩は生返事の後に浮かべていた笑みを消す。質問が勿論の如く聞こえていた他の社員達にも少しの緊張が走った
「『忍』である、と云うことに嘘はなかった
けれど気になったのはそこじゃない」
「気になった?」
国木田が眉を顰めて復唱した。うん、と返事をする乱歩は片手で棒付き飴を軽く振り回しながら言葉を続ける
「彼女を襲った奴らは、彼女の云った『忍』じゃない」
「……は?
否、乱歩さん。あの小娘に嘘偽りは無いと」
「無いよ。彼女自身にはね」
「詰まり、彼処で彼女を襲った刺客は忍の格好をしているだけで本物の『忍』じゃ無かったってことだよ」
混乱する国木田は頭を抑える。他の社員も理解した者としていない者とで分かれた
もうっ、と呆れたような憤慨したような声を漏らす乱歩は座っていた机から床へ降り立ち、しょうがないと云わんばかりに声を大きくした
「どれだけ理解が遅いんだ
詰まり!あの時襲ってきた忍は全部贋物!
そこらの輩を雇って忍の格好をさせたんだよ
証拠に僕らが外で待っている間、気配が隠しきれていなかった奴だっていたし、都市伝説になって恐れられてる組織の構成員が一斉攻撃なんて非効率的なことするとは思えない
その後に姿を現したのだって、ヤケ糞だよあれは」
「……そして彼女はとても頭が善い
気付かない筈がないってことは……」
「嗚呼 彼女は、山月 Aは気付いてる。
本物の『忍』が自分を襲いに来てないことに
そして彼女は組織を、何が何でも潰す気だ」
辻褄が合えば合う程国木田は混乱した
あんなにも大勢の人間を雇って殺しに来る組織と腰を上げようとしない組織に狙われて尚反逆の意思を持つ少女に
何処かで矢が放たれる音がした
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柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)
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