探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第三十話 ページ31

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「……釣れるかなぁ」


サラリとお金を払って出て行った中原さん。二言は無い辺りが流石だし漢らしい。

少し感心しながらも思考する。
合理主義で頭が尋常じゃない程善く回る森 鷗外さん
彼を出し抜くなんて事は思わないけれど……


「却説、行きますか」


カタン、と机にお代わりをしたお冷やを飲み干したコップを置いた



一つ変わってポートマフィア
着替えた中原は少し歪めていた顔を引き締め扉を叩く


「失礼します。首領、中原です」

「嗚呼 入り給え」


開けると悠々と紅茶を飲むポートマフィア現首領の姿が。微かな笑みを浮かべる森に帽子を取って軽く礼をした


「例の任務ですが」

「バレてしまったかい」

「……申し訳ありません」

「善いんだよ、想定内だ」


冷たい能面のような笑みを浮かべた森に言葉を詰まらせ冷や汗を流す中原。ただ駄目でしたと云う報告だけで去るわけにはいかなかった


「……云っていたのですが、どうやら組織は一個の拠点を持たず、常に動いているそうです。
標的も、一ヶ月も前となると流石に知らないと」

「……へぇ」


紅茶の水面を揺らし、意味深に相槌をした森は戻って善いと中原に云い暫く何かを考えていた

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