検索窓
今日:126 hit、昨日:30 hit、合計:768,523 hit

第二十五話 ページ26




「忍……?」

「そのままです。闇に生きて闇に死ぬ
人外的スピードに力、全ては遺伝子より操作され生まれながらに修行を積んできた結果」


喰らい尽くした矢は、黒い羽をさらに大きく広げ夜の闇を深める。何かに急かされた様に潜んでいた黒い布に包まれた性別も判らない人間達が彼女めがけて黒塗りの刃を光らせ襲った


「異能力『闇中問答』ーーー悪魔の妥協」


彼女が呟く。大きな羽から何かが飛び出して行った。小さく鋭利な大量の棘だ
無数に飛び出して行った棘は忍びと思われる人間達を突き刺し貫き、敦含め探偵社の人間には一片の傷も与えなかった


「よかったですね。魂は取られずに済みましたよ」


生死に関しては知りませんが。最早その呟きを知るのは味方のみだった
国木田は警戒が拭いきれず、太宰は微笑み乱歩は後頭部で両手を組む
敦は依然眠りこけていた


「……国木田、警戒しなくても善い
彼女に僕らへの敵意はない。判るでしょ」

「然し!」

「彼女の云う事は本当だし嘘はない
だからその手帳をしまって」


穏やかにそう云う太宰に、乱歩の云い分もあったのか渋々手帳を閉じた。目の前の彼女は諦めと同時に確かな決意を目に宿して笑っている。

手の中にあった弓は消え、空中に飛んでいた矢はナイフに戻って地面へと真っ逆さま。彼女は真横に手を出し、手の平を握るとその中へすっぽり収まった。


「君が、太宰の云ってた子だね」

「えぇ。改めまして山月Aです」

「別に名乗らなくて善いよね。知ってるし」

「はい」


乱歩はふぅん、と少しだけ興味関心の意を含む声を漏らした

第二十六話→←第二十四話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (642 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1256人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:和寂 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2018年4月5日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。