探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第二十四話 ページ25

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「異能力『闇中問答』ーーー天使の制裁」


手を弓から離す。

弾かれたように飛び出した矢は五つに分裂し、小さな白い羽を生やして金色の線を空中に作り出す
向かう先は太宰さんーーーーをすり抜けて、急カーブを描いて天井へ


「ぐぁっ！！」


一本が闇に隠れた者を射止めた。
それの手には一本のクナイが握られており、重い刃を地に向けて落ちれば、音もなく突き刺さった
落ちて来た死体は太宰さんの真後ろに落ち生き絶える

残り四発は、国木田さんや乱歩さんの近くに死体に突き刺さって降って落ちた。


「小娘、おまえはーーー」

「……名乗り遅れました」


名探偵もいる。もう隠せないことは判る
彼らには要らぬ火の粉が降りかかるならばーーー私が先に火種を潰そう。元来、それが目的なのだから



「私の名前は、山月Aです」



名乗りと同時に倉庫の屋根が開き、数え切れぬ程の刃と矢が、彼女めがけて降り注いだ

穏やかな笑みを浮かべた彼女の黒髪は風に揺れる
次の瞬間には笑顔どころか瞳の光をも消して、天に向かって矢を向ける

弓を引いて、撃った。


「私の異能は『闇中問答』
弓を召喚し武器であれば何でも矢に変えて放ちます。
特徴的な武器ならばその特徴が受け継がれることもありますが、癖が強いので基本は携帯ナイフです」


放たれた矢は無数に分裂し、悪魔のように刺々しく黒い羽を生やす
クナイに短刀に矢。全ての奇襲を捩じ伏せ喰らい尽くし、縦横無尽に空を駆け巡る姿はまるで意思を持っているよう。


「都市伝説とも云われる組織


ーーー通称『忍』の、元構成員です」


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