探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第二十三話 ページ24

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「ほぉ！」


驚きと感心の声。それを無視して大きく跳躍し、原作通りにする為に太宰さんの近くへと降り立つ
あまりの痛みに怒りを隠せない白虎は無差別にそこらを襲い、木箱も粉々に。


「……後はお任せします」

「やるだけやっておいて他人に全振りとは、善い性格してるね」

「貴方ほどじゃあないです」


クスクス笑う太宰さん。飛びかかって来た白虎に、緩く腕を上げて、額に当てた
一瞬だけ、時が止まったように空中静止した白虎は次の瞬間には気絶した敦になっていた。勿論、彼はポイッと捨ててしまったが


「おい、太宰！」


倉庫に響いた国木田さんの声。私は、ナイフをホルスターから取り出した


「ああ、
遅かったね。虎は捕まえたよ」

「！その小僧……」


全てを察した国木田さん。彼は矢張り本質的には頭が善いけれど、性格故に揶揄われるのが哀れだ
小さく言葉を呟く


「肝が冷えたぞ。おかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ」


踵を返した先には、三人の男女が立っていた
自信に満ち溢れ、自らの使命を善く理解している者達
そして私が何より憧れ好いた方々


怪我人がなさそうで、つまらなさそうな与謝野さん

相変わらずの絶対的自信を持つ乱歩さん

純粋無垢で可愛らしい賢治君


私は


「『闇中問答』」

「！太宰！」


貴方達を、巻き込まない。絶対に


太宰さんの後ろの方でギリギリと限界まで引いた弓
ナイフが金色の光を放ち、矢へと変わる
国木田さんが太宰さんの名を叫び、太宰さんが振り向いて目を見開く

"天使"よ、私に力を貸せ


「太宰さん、そのまま」

「かわせ、太宰！！」


彼はただ、微笑んでいた

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