探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第十九話 ページ20

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「『独歩吟客』電線銃(ワイヤーガン)！！」


太宰が今正に何時もの悪癖を披露しようとした時、川岸の向こうで小さな人影を見た。
二つ程あるそれは如何やら何かを話しているらしい
そして一つが此方を見た時に目が合う。
やけに見知った姿だと思ったらーーー！！


国木田が電線を飛ばして反対の川岸まで飛んだ
其処を通過しようとしていた少女は足を地面とすらせて急ブレーキをかけた

手帳を片手に睨む国木田に厭そうに顔を歪める少女
武道の教えがあり師はあの福沢。恐ろしさは対峙して判る。
ガチャリと再度発動し出現させた電線銃を少女に向ける。


「今度こそ逃がさんぞ、小娘」


ただ黙ったままの少女は眉に皺を寄せる

ブワリと無差別に放たれた殺意。丸い黒目が全て見える程に目を見開き、国木田を見続けている姿は少し不気味だ
けれど国木田は想定していたかの様に動揺する事なく、睨み続けた


「いやぁ、時間稼ぎありがとう！国木田君」

「ふん、どうせその積もりで呼んだのだろう」


ガッシリと肩を唐突に掴まれ、少女の殺気がヒュンッと消える。何故かその手はとても湿っていて、頸だけそちらに向けるとびしょ濡れの太宰が。

呆れた様に眼鏡を上げ、溜息を一つ。
見事に肩を掴まれ、絶対に逃さないと云わんばかりの握力に少女も溜息を吐き、降参の意を示す為両手を挙げた

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