探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第十四話 ページ15

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「くそっ！」

「逃さない！！」

「『羅生門』！」


短銃から何発も弾丸が飛び出し、黒獣が弾丸を纏い私を狙う。

スレスレだった。

黒き獣の牙が私を襲い、弾丸が肉を破って内臓へと届くーーーーーなんて事はなく

黒獣のスピードも、風すら超えて


「なっ……！！」

「……矢張り」


「っ、ぶな……」


樋口達の視界から瞬間移動でもしたかの様に消え、路地裏の壁に張り付いている少女に樋口は目を剥いた
芥川はあのスピードに見間違えはなかったと、口元に手をやり咳を漏らす

そして彼女は、二人とも梶井とも違う気配を感じ本能的にその場から飛び出し梶井がいた方向の壁に移動し指を食い込ませて穴を開け、ぶら下がった

先程まで彼女が居た場所には、鋭い一閃が深く傷がついていた。あれを喰らっていたならば、一溜まりも無かったと冷や汗をかく


「ほぉ……あの太刀筋をかわすか」

「……」


四方向の内の一角から声を響かせる主に、流石にヒクついた口角。
ポートマフィアはどれだけ本気なのか、速まる心拍が生命の危機を訴えていた


「鏡花や、確実に仕留めるのだぞ」

「……はい」


まさかの泉 鏡花の登場に、開きっぱなしの口
ハッとなった時には目の前に刀を鞘から滑らせる夜叉白雪

彼女は壁を渾身の力で蹴り、その場から直ぐ様離れると斬撃が無数に放たれ、壁を壊す
飛んだ先には梶井の檸檬爆弾が直ぐそばで宙で待っており、反射的に手のひらで優しく覆う様に掴み、そのまま投げ返す
それを三度繰り返した


投げ返したとて爆風は免れず、肌を焦がした

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