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第十二話 ページ13




「見付けたぞ」

「……うわぁ、来た」

「はっ、予想出来てたってことか」

路地裏の、少し開けた場所。ここは確か組合編で最初の方に死んだ秘書の方が死んだ場所だったか
誰かがつけて来たと思い敢えてここを選んだが、真逆貴方とは。

口角を上げて帽子を少し深くかぶり、顔の半分に濃い影が出来る。私よりも少し低い身長の彼は、イケメンと名高い彼である


「重力遣いの、中原 中也」

「正解ーーーだっ!!」


メキャッ!と地面を破壊し高速で飛んでくる彼は強く拳を握り締め、今にも殴りたいと云いたげだ
生で見ると確かにイケメンだが何と物騒か

フォンッ!と耳元を空を切る音が掠める。
頸を少し傾けて、二の腕のホルスターから取り出したナイフを向かってくる彼の腹へと突き立てるだけ
そのまま向かってくる彼が勝手に刺さってくれることを期待したが、そんな筈もなく。


「っ!!」

「駄目か……」

「舐めてんのか、手前!!」

急ブレーキをかけた所為か少しグラついている中原さんの躰。ズザザッ、と地面を踵で擦った
流石に言葉にも怒気が混じる。至近距離となった彼は拳を引っ込めグルリと躰を左足を軸に回転
頸を飛ばす勢いで右足が向かってくる

躰を海老の様にそらし、スレスレで蹴りをかわしてそのまま後ろへ手をつきブリッジに。
片足で強く地面を蹴って彼の顎へと爪先を直撃させた


「っが、は」

「御免なさい……連れ去られるわけにも、殺されるわけにもいかないんです」


多分、目に追えていなかったかギリギリだったか。
幹部と云えど、人外みたいなスピードは新鮮だろうし慣れていないことは確かだ
パキッ、と手首を曲げて音を立ててナイフを戻す


「暫くしたら大丈夫だと思いますんで

じゃ」

「て、め…………ま、」


脳が揺れるのか呂律どころか喋れていない中原さん
其処らへんに舞い落ちてしまった帽子を手に持ち、彼の頭へと押し付けた


「この帽子、善いと思いますよ。私は好きです」

「!」


驚いたのか固まる中原さん。まぁ、向こうの次元では沢山の女性が貴方に虜ですし、その帽子を素敵だって云う方は雨の粒程いるだろう
私はそれを少し代弁させてもらった。まぁ私もあの帽子は好きだけど


「では」


ヒラリと手を振って、その場から姿を消した

第十三話→←第十一話 (一部作者の想像による解釈が含まれています。ご注意下さい)



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柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和寂 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2018年4月5日 5時

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