探偵社の窓から突っ込んだら色々疑われてます

第十話 ページ11

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ポートマフィアですら、実態を掴めない組織があった。
都市伝説以上に存在があやふやで、けれど確かにそこにあると思わせる何か

彼らは隠密行動に長け、闇に生きて闇に死ぬ。
その死体すら指一本明かさず回収し処分するという徹底さ。それは少数精鋭だから出来ると云う者もいるが、実際のところ人数など判る筈がない

ポートマフィアの様に牛耳っているわけではないのに、一度その界隈の者の耳に入ると震え上がらせる

ポートマフィアは威厳を保つ為、その組織の情報を掴まなければならない。ポートマフィアもあの組織には、そう噂され満足に行かないこともない事は無かった


そんな因縁とも云える組織の構成員らしき者が見つかった。それは大き過ぎる収穫
首領である森は合理性の権化。この好機を逃すはずも無く、ここ最近の縄張りにあった死体を全て見た。が、構成員らしき者はいない


「詰まり、"彼ら"が死体を入れ替えカモフラージュしている……」


何の為に。そんな言葉は吐かない。思惑は言葉にした時スンナリと落ちて来た

彼らは、ポートマフィアにその者を殺させようとしている

それでは結局ポートマフィアが手玉に取られている事に変わりはない。嗚呼 それはいけない
クスクスと笑う森を汚物でも見るかの様な視線を送るエリス


「あぁエリスちゃん。ごめんよ寂しかったかい」

「そんなわけないじゃない」

「冷たい！」


辛辣に放たれた言葉にも何処か幸せそうな森にエリスは尚嫌悪で顔を歪めた

第十一話 (一部作者の想像による解釈が含まれています。ご注意下さい)→←第九話 ポートマフィア

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