芸術系ケンカップル-ver.dolce-【月永レオ】

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そうなると残ったのは。


「瀬名だな」

『瀬名泉。俺を選ぶんだ？』

瀬名にするか、という質問画面が出てくる。
仕方ない…と選ぼうとしたその時横から「あーっ！！」と大声で叫ぶ王さま。


「ほら！またセナと浮気してんじゃんおまえ！！」
「ゲームだからいいだろ！」
「なんかムカつく！もうおれにしてやる！！」


私のスマホを取り上げて勝手に操作する王さま。必死に手を伸ばしても腕で阻まれる。「はい返す」と言われて画面を見れば画面の外と中でれおがにかっと笑っている。「おれを選んでくれたんだな、ありがとう！愛してるよ！」と言う。途端、ドクンと心臓が大きく波打つ。


「最初から好感度あってよかったな…
って、どうしたんだよ？」


俯いてスマホを手放す。
あぁ、久々に聞いた。
こいつの爆弾。私も徹夜でおかしくなってたのだろうか。こんなの、どうかしてる。まぁ王さまなら言いそうだし、と書いたのだからこの爆弾が他にもある事を覚えておかないと。


「…なんでも、ない」


そっぽを向いてスマホを取りチュートリアルを再開しようとすると、途端目元を隠されて身体を王さまの方に寄せられるを突然の事にドギマギしていると耳元へと近づけた口から吐息と共に言葉が零れた。


「愛してる」

「っ……や、め……！」
「なんで？言われんの、嫌い？」


分かってる癖に。
キスをするように耳たぶを甘く噛んでくる。びくっと震える身体を見て楽しげに小さく笑う。スマホから流れる愉快な音楽とは合わない雰囲気に身体が熱くなる。

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