13つ嫌いです ページ14
ある日。
授業が終わり、家に帰ろうかと思った矢先だった。
校舎棟を移動出来る道を通ってた時に、裏返った声が聞こえた。確かに言った。「好きです」と。
なんだなんだ、告白か〜？と思いながら、興味本位で声のする方へ歩いてみると丁度校舎の真裏だった。足音を立てないようにこっそり近づいて見てみると、そこには……。
「……あー、困ったなぁ」
照れくさそうに、けれども困ったように笑う鬱が居た。興味が一気に削がれた。なんだよおまえかよ。日常茶飯事じゃないか。困ったな、なんて言っておきながらどうせ付き合うんだろ。はぁ、アホらし、帰ろう。そう思って、踵を返そうとした時。
「最後まで見ていかないの？」
「うわ……っ…………！！！」
楽しそうにしている先生が立っていた。思わず声を上げそうになったのを、掌で塞がれる。そして、人差し指を口元に当てて静かに、とサインを送られる。私としては何故、超私情空間に教師が立ち会ってるのかに理解が追いつかない。なにしてんの、この人。無邪気な少年のように、死んだ魚のような瞳の奥に光を宿して大先生たちの告白を見ている。
「なにしてるんですか、先生……！」
「え、クラスメイトの恋愛事情とか気になんない？しかも相手の子、モデルやってるんでしょ……凄いお似合いじゃない？」
……なるほど、どこかで見たことあるかと思ったら、インスタか……。若い子向けのファッション誌に掲載されることもしばしばなそこそこ人気な女の子だっけ。清楚系で凄い綺麗だって噂だしな。
「あぁ……顔面偏差値とか、そういう話ですか……人気者同士みたいな」
「え？違う違う。……そういう話じゃなくて」
先生が軽く口を開く。一度こちらを見たあと、すぐに大先生の方に視線を向ける。同じように二人を見ていると、ようやく大先生が口を開く。
「ごめんな、君みたいな可愛い子に告白してもらえんの、凄く嬉しいんやけど……僕、好きな子いんねん」
「そ、うなの……」
明らかに落ち込む素振りを見せる彼女は、私たちに聞こえないくらいの小さな声で何かを言うと、そのまま走り去ってしまった。それに続いて鬱も、遅れてその場を去っていった。あの鬱が、あんな可愛い子を振るなんて、少し意外で……いや、かなり意外で驚いてしまった。
「まぁ、そりゃ鬱でも振るか」
そう口を開いたのは、先生だった。
続く (更新停止中)
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あまがえる(プロフ) - コメ失礼します！ｻﾙｩ先生につられてきたその4です☆めちゃ面白いです！！ (2020年12月21日 7時) (
レス) id: 641b15eebb (このIDを非表示/違反報告)
reoru(テイル)(プロフ) - チンパンジー先生に釣られてきたその3です。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: 606d5211ac (このIDを非表示/違反報告)
貴女は神 - 猿山せんせーに釣られた人その2です (2020年10月8日 23時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
陽華 - らだおせんせに釣られてやって来ました！何故更新停止…… (2020年9月12日 17時) (レス) id: 4fefb0da81 (このIDを非表示/違反報告)
くろちゃ(プロフ) - コメ失礼します！この作品大好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年8月21日 0時) (レス) id: 75cef18c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かきのたね
| 作成日時：2020年1月8日 21時
