脅威さんといっしょ！(不本意)【zm】

ゾムさんとLINE ページ10

「あーあ……フォローしてる方の小説ってなんでこんなに才能に溢れてんのやろ」


昼休憩中に見ているのはTwitter。
執筆自体は家がほとんどだが、この制作会社に通うのはスタッフと会議をする為である。

こんなの書きましたと、流れてくるオリジナル作品のリンクからサイトにジャンプする。すると、美しいほどの文字の羅列に、感嘆する才能の数々が溢れている。

「たまに例のドラマの二次創作書いてる人が居るけど……本当にその人に脚本やってほしいわ」


とは言っても、公式の担い手なのだから、もっと私も想像意欲と創作力高めなければ。

連続ドラマもストックは6話まできたし……ここからどうやって、最終話……そして、次シーズンの第1話の拡大スペシャルまで持っていくか……だな。





「染村さん、次のシーズンも貴方に脚本をおまかせすることになりました」

「…………あっ、ありがとうございます！！」


しかし、心の中ではプレッシャーが寄せてせめぎ合っている。

畜生、実に不快だァ！！
確かに名誉はあるし、それほど期待を寄せてくれてるのはいいんだけど、めんどくさい。


「はぁ……」

そんな風にため息をついていると、ピロンという通知の音と共にディスプレイの上部にバナーが現れる。


誰だろ、もしかして友達かな。
そう思ってトークアプリを起動した。すると……。


『今日、鍵閉め忘れとったで。
気ぃつけや』

「！？」

おいおい、ちょっと待てよ。
なんでこの人が私とLINEやってんの。私は表示された名前にギョッとして、おもわずスマホをデスクの下に落としてしまった。

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