脅威さんといっしょ！(不本意)【zm】

ゾムさんは先手必勝 ページ7

「なんで……えっ、でもですね！！？
昨日もその人が……！！」

『最近多いですよ、勘違いってパターン』


ちゃうねん！！！
言うとるやろうがゴラァ！！！！そう言いたい気持ちを抑えながらお巡りさんと電話口で話す。なんでよ。なんでよ。そう困惑する理由。



ゾムさんのことを本当に電話して、少し調べてもらったのだ。私の周りのこととか色々……軽くだけど。


そうしたら、何もねぇって言いやがるじゃないか！！なんで！？何も無いわけないだろ！



「(あの日、あの人不法侵入したのよ……！？)」


でも、鍵穴にピッキングの跡とかも無ければ探った様子もないと言う。そして街に設置されたカメラ等々で私を捉えた映像には、ゾムさんらしき人影は映っていないと言う。

そんなことない！！ストーキングしてた！！あの人してた！！！





結局、私の勘違いで片付けられてこの事件は迷宮入りもとい自意識過剰で幕を下ろす。



「なんで……えっ、なんで……？」

なんで？どうしたらそうなるの？
どういうこと？

そう困惑して部屋で項垂れていた矢先に、玄関に続く扉の方から何故か声が聞こえる。



やたらと嫌なあの声。



「お巡りさん、なんて言っとった？」

「……ゾムさん、まさか全部貴方が？」


そう聞くとヘラっと笑うゾムさん。


「俺は警察に言いたきゃ言え、って言うただけや。
別に捕まる気なんて更々なかったで」



つまり、最初から手を加えるつもりで私にあんなこと言ったのか。そして拗ねたフリをしてたのに、ちゃんと「捕まらない」って確証をもってたのか。


こわっ。
この人本当になんなの。



「なんで、私なんですか。一目惚れって……それでもここまでする理由わからないです」

「じゃあ頑張って考えて」




なんつー、無茶言うんだこの人は。

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