ゾムさんは逃がさない ページ24
仕事の疲れもあるのか今すぐベッドに行きたくなる。今日はもうゾムさん追い返す気力もない。なんならポテト一個くらい食べて寝ようか。
明日は仕事も休みだし……。
「ポテト貰ってもいいですか」
「ええよ、今日も仕事お疲れ様」
私の頭を撫でながら紙袋を二つ渡してくるゾムさん。中には、私がマクドでよく頼むダブルチーズバーガーが5つとポテトが敷き詰められていた。
「あ、あのゾムさんポテトは一個だけで……」
「遠慮せんでええよ。今日はAの為に買ってきたんやから」
えっ。
いや、だから私ポテトを……しかも、一つだけなんだけど……。私は顔を引き攣らせながら嫌な予感を感じて、袋を受け取らず「やっぱり寝ます!!」と寝室へ走る。
まずい。本当に嫌な予感がする。
しかし、そんな思惑は時すでに遅しと私の歩みを止めさせた。ゾムさんが私の手首を掴んで、そのまま思いっきりひっぱってきた。体のバランスは崩れ、私は倒れ込むようにしてゾムさんに抱きとめられた。
「何処、行くつもりや?」
笑みを含んだ言葉がやけに恐ろしい。
ゾムさんの座っている場所にすっぽりとハマって捕まる。
逃げようにも私の腹の前で手を繋ぐゾムさんのせいで逃げられない。目の前では、終わったと言わんばかりに仏の表情を見せるコネシマ。
「あ、あの、ゾムさん私もう眠たいんですけど……」
「眠たい?……あぁ!なるほどな、眠たいから俺に食べさせて欲しいんやな!任せとき!!」
「は?い、いやちが……むぐっ!!」
ポテトを口に突っ込まれ「ちゃんと食べなあかんやろ?」と言うゾムさん。いやいやいや、この人なんなん!?待ってくださいと何度言おうとしても甲斐甲斐しく、飲み物とポテトを交互に与えてくるゾムさん。先程まで睡眠を欲していた眼が覚醒する。
「っぐ、無理やから……っ、堪忍して……」
「そんな良い顔せんといて。余計に餌付けしたくなる」
「も、何この人……」
次の日の朝、私の家に三人の屍と満足そうに寝息を立てて眠るゾムさんが、SOSを貰って様子を見に来た鬱さんに見つかった。
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暁郗 - 待ってぇ…、めっちゃ絵上手くないですか…?夢主ちゃん可愛過ぎるやろ。髪少しボサってしてるのとか前髪長いのとかほんと好きです。これからもめっちゃ応援します。 (2020年10月4日 10時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - ごめんなさい!!!!好きすぎて泣きました笑これからも我々だ作品期待してます頑張ってください! (2018年12月1日 14時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
狸豆 - めっちゃ絵上手いじゃないすかぁー()羨ましいですわうふふ() (2018年11月2日 23時) (レス) id: ffc9be237d (このIDを非表示/違反報告)
鮭 - かきのたね様の作品、楽しく拝見させて頂いております。続編も楽しみです^-^ (2018年11月1日 21時) (レス) id: 93041e31ed (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 夢主ちゃんが外を歩いてて、すれ違う人達が自分を見ては慌てて目を逸らして足早に去っていくから可笑しいと思って後ろ見て見たら実はzmさんが着いてきてた、みたいなのとか…ハロウィンzmさんとか…お願い出来ませんか…出来ればでいいので…! (2018年11月1日 18時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かきのたね | 作成日時:2018年10月21日 9時