脅威さんといっしょ！(不本意)【zm】

ゾムさんとナンパ ページ19

最悪。
その一言に尽きる。


「なぁ、オネーチャン、ちょっとだけやから」
「せやせや。なんもせぇへん、お喋りしよ？な？」




やだぁ、めんどくさいんですけどぉ。

笑顔を浮かべながら、内心殺伐としている心境状況である。クソ、なんやねん、このチャラチャラした野郎どもは。

大体、私はこのチャラついたクソガキダブルにオネーチャンなんて言われるお年じゃないぞ。そんな若くないっつの。

ジロリとクソガキを見てみると、耳のピアスは一つ、二つ……うわ、軟骨も開けてもうてるやんけ。

「チョー可愛い、やっべぇ」
「あ、はは〜……」


今日はゾムさんと服を買いに来たのだ。
そう。遂に同意の上でのショッピングである。

いつもストーキングするとはいえお互いの腐れ縁もあるので、たまにはいいのではと思って……でも、ゾムさんがスターリンボックスで飲み物買ってくるって言ってからものの一分で、こんな面倒な連中に絡まれてしまった。


「ごめんなさい、連れがいるので……」
「えぇ？
でも、そいつカレシとかじゃないんやろ？」

「そっ、それは……」


確かに彼氏じゃないけども。

ストーカーですけど？
連れてきてるのしつこさA級のストーカーですけど。なんならお前らより厄介かつ図太い野郎ですけれども。


私は笑顔を崩さないように、その人たちに愛想を振りまいていた。そんな私を見て何を思ったのか「な？ええやろ」と、突然私の腕を掴んで引っ張ろうとするパツキン男。


「いや、本当にごめんなさい……」
「嫌や〜！あんたみたいなごっつ可愛いネーチャンおらへんもーん」


ぶち殺したろか、何が「もーん」だ。
可愛くねぇんだよ、ボケ。

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