ゾムさんと出会い ページ1
「はぁ……今週のシナリオ
本当にあれでいいのかなぁ」
夕暮れの最中、カラスの鳴き声を聴きながら家路に着く。仕事場から家まで大変近いこともあり、普段はこうして歩きで往復している。
私の名前は染村A。
これでもシナリオライター、脚本を書く仕事をしている。最近はあるドラマの担当をいただくことになり、少し仕事が忙しくなったのだ。嬉しい話だが、不安も募る。
シリーズが続いている長寿ドラマのベテラン脚本家の後釜だなんて。荷が重い。
「いいのかなぁ……」
なんか、テンプレにハマりすぎてつまらん。
これはあれだ。あの、見飽きた感があんねん。なんやろな、よう分からんのやけど……なんかちゃうねん。言葉に出来ひんレベルで違和感を感じ……。
「逆になんで監督さん、これで良しにしたの……」
頭の中のコレジャナイ判定機がフル稼働する中、油断していた私の手元から見ていた原稿が落ちていく。坂道を登り切ったところで、不意に強風が吹いたのだ。うまい具合に辺りに散らばる原稿。
「やっ、えっ嘘やん!!!
まって!確かに納得いってないけども、どっかいかれても困るわ!!!」
最悪。
人気のない住宅街で1人、何を阿波踊りするみたいに舞っている紙と格闘しているのか。いっそ舞ってしまって、最初から練り直せっていう神様からの啓示なのか。
慌てて集めようとする、その時。
「これも、あんたの原稿?」
鮮やかな緑色のパーカーを着た男の人が、しゃがんでいた私の前で原稿の複数枚渡してきた。私は少し慌てながらお礼を言い、立ち上がった。
数を数えてみると、ピッタリ15枚全てある。助かりました、ありがとうございます、と何度か言うとパーカーのその人は「気にせんといて下さい」と軽い口振りで言う。
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暁郗 - 待ってぇ…、めっちゃ絵上手くないですか…?夢主ちゃん可愛過ぎるやろ。髪少しボサってしてるのとか前髪長いのとかほんと好きです。これからもめっちゃ応援します。 (2020年10月4日 10時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - ごめんなさい!!!!好きすぎて泣きました笑これからも我々だ作品期待してます頑張ってください! (2018年12月1日 14時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
狸豆 - めっちゃ絵上手いじゃないすかぁー()羨ましいですわうふふ() (2018年11月2日 23時) (レス) id: ffc9be237d (このIDを非表示/違反報告)
鮭 - かきのたね様の作品、楽しく拝見させて頂いております。続編も楽しみです^-^ (2018年11月1日 21時) (レス) id: 93041e31ed (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 夢主ちゃんが外を歩いてて、すれ違う人達が自分を見ては慌てて目を逸らして足早に去っていくから可笑しいと思って後ろ見て見たら実はzmさんが着いてきてた、みたいなのとか…ハロウィンzmさんとか…お願い出来ませんか…出来ればでいいので…! (2018年11月1日 18時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かきのたね | 作成日時:2018年10月21日 9時